Hzは1930年代に考案された。それ以前は”サイクル・パー・セカンド”と呼ばれ、正確に計測できるようになったのは、フェリックス・サヴァールがサヴァールの車輪を、ヨハン・シャイブラーがトノメーターを発明した1834年のことだ。 また、その測定が試みられるようになったのは16世紀に入ってからのことである。したがって古代の楽器が意図的に432Hzを選んで調律されたとは考えにくい。 2. ピタゴラス音律は432Hzだった ピタゴラス音律は比率に基づいており、絶対的というよりは基準ピッチに対して相対的なものである。すでに説明した通り、ピタゴラスがHzを知っていたはずがない。 Cが1ならばAは27/16(すわなわち432/256)で、確かに432はCとAの比率の倍数であるが、これはどんな基本周波数にも当てはめることができ、特定のHzとは関係がない。 ピタゴラス音律は完全五度に基づく。しかし五度を循環さ