みなさんは2009年に発生した「トムラウシ山遭難事件」を覚えてらっしゃいますでしょうか?2009年7月16日、登山ツアーで北海道のトムラウシ山(標高2141m)を訪れていたツアー客が低体温症に襲われ、ガイド1名を含むツアー客8名が死亡した事件のことです。登山ツアーとしては、現代山岳遭難史上まれにみる大惨事となってしまいました。 私は添乗員として登山ツアーにも同行した経験があります。山岳ガイドの視点からこの遭難事件が多く検証されてきました。ガイドの視点と被る部分も多いとは思いますが、この事件を添乗員の視点からも検証してみたいと思い、記事を書き上げました。 今記事では、事件についてその経過を詳しく辿っていきながら、添乗員の視点からこの事件についてその問題点などを指摘していきたいと思います。 <目次> ツアー客の顔ぶれ ツアーの行程 ツアー全体の詳細な経過 7月13日 7月14日 7月15日 7