西日本豪雨の被災を経て、2022年7月に架け替えた「久杉橋」。建築家の隈研吾氏がデザインした(写真:生田 将人) 計1266本のヒノキ材で壁高欄をすっぽり覆った独特な橋が、山口県岩国市に誕生しました。ヒノキ材の醸し出す柔らかな雰囲気と、橋に近づくにつれて見え方が変化する力強さが同居しています。 2018年7月の西日本豪雨で被災し、県が4年の歳月をかけて架け替えた「久杉(くすぎ)橋」です。 ヒノキ材のデザインを手掛けたのは、国立競技場などの設計で知られる建築家の隈研吾氏です。橋を設計した大日本コンサルタントと共に、木とコンクリートを組み合わせた橋づくりに挑みました。 被災した久杉橋は、県が1954年に整備した橋長15mの鉄筋コンクリート(RC)橋です。日本酒「獺祭(だっさい)」を製造・販売する旭酒造(岩国市)の直売所の目前で、2級河川の東川をまたぎ、対岸の川沿いを通る県道5号につながっていま