アーカイブサミット2016<報告> 2016年6月3日,千代田区立日比谷図書文化館で「アーカイブサミット2016」が文化資源戦略会議により開催された。本稿では,そのなかの昼と夜にそれぞれ開催されたシンポジウムについて報告する。 ◯シンポジウム「著作権消滅。‐社会資本としてのパブリックドメイン‐」(昼の部) パブリックドメインの社会・経済・文化的な意義と課題について,3名の登壇者によって意見が交わされた。 青空文庫の大久保ゆう氏は,パブリックドメインの作品を収録する青空文庫において公開された作品が朗読劇等で利用された事例などをもとに,パブリックドメインの社会・経済的価値を示した。また,北米日本研究資料調整協議会(NCC)の活動を引き,パブリックドメインとなっている研究資料情報へのアクセスの確保が海外の日本研究推進においても重要であるとし,学術的な価値についても強調した。 弁護士の野口祐子氏は