2011年8月、菅直人首相の辞任条件になるなどの紆余曲折の末、再生可能エネルギー電力全量固定価格買い取り制度(FIT)の導入を柱とする「電気事業者による再生可能エネルギー調達に関する特別措置法(FIT法)」が成立した。 このFITは、すでに世界80以上の国や地域で導入されている、再生可能エネルギー電力を固定価格で買い取ることで、利用拡大を促す制度である。日本のFIT法は、2012年7月の施行が予定されているが、各電力買い取り価格が決まるのは5月以降になるらしく、関係者をやきもきさせている。 電力買い取り価格は、低すぎれば再生可能エネルギー電力の増大に結びつかないし、高すぎれば、国民や産業界の負担が過剰になる。条件やポテンシャルによって、適切な設計が重要である。 「林地残材は使えない」から使われない 特にバイオマス発電では、 (1) バイオマスが建材や紙パルプ、飼料など他の用途と競合する (