午前2時、緑青色に鈍く光った廊下が広がっていた。 明日の手術のシミュレーションをしていた私はそろそろ帰ろうと帰り支度を始めていた。すると突然、奥の廊下でスラムダンクの君が好きだと叫びたいが流れ始めた。ここは診療病棟ではない。患者さんは居ないがそれにしても病院に似つかわしくない大音量が廊下中に響いた。 「やってるかしら?」 鬼滅の刃の胡蝶しのぶの恰好をした人間が姿を現した。三田佳子だった。 私は「やっていない。」「どこから入ってきたか。」「三田佳子さんですか?」「好きな曲はなんですか?」というのを矢継ぎ早に返した。三田佳子は「やってもらうわ。」「三田佳子です。」「波と垂直に、ホコリと平行に、DISH//の北村匠海くんと対角になるように歩いたらここに着いていました。」「特に好きな曲というものは無い。強いて言えば中島みゆきが朗読するクロノトリガーの攻略本です。」と全て丁寧に返してくれた。 私「一