大麻(学名:カンナビス・サティバ・エル)。この植物は、海外では医療面・産業面での再評価が進み、「グリーンラッシュ」と呼ばれるほどの経済効果を生んでいます。いまだ「違法な薬物」というイメージが根強い日本でも、2021年1月に厚生労働省の主導で有識者による「大麻等の薬物対策のあり方検討会」が開始され、大麻取締法の見直しが進んでいます。 こうした状況の中、2021年5月16日には「稲作より早くから栽培され、衣食住に用いられてきた農作物としての大麻」をテーマとした、大麻博物館による書籍『日本人のための大麻の教科書 「古くて新しい農作物」の再発見』(イースト・プレス)が刊行されました。同書には社会学者・宮台真司氏による寄稿「解放と統治――大麻の二面性と向き合う」も掲載されています。 本記事では、その寄稿の基となった大麻博物館による宮台氏へのインタビューを全文掲載します。 宮台真司 1959年宮城県生