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「オーロラの国」として知られるアイスランドは「ジェンダーギャップが世界一ない国」でもある Photo by Getty Images 画像ギャラリーを見る → この数年、「ジェンダー後進国日本」という原稿を書き続けている。世界経済フォーラムが発表するグローバルジェンダーギャップ指数、6月12日に発表された2024年のランキングでは、日本は146ヵ国中118 位。2023年の125位より前進したが、主要7ヵ国(G7)では87位のイタリアを大きく下回る最下位のままだ。 対照的に15年連続で首位をキープし続けているのが北欧の小国アイスランドだ。
会社員・優花さん(23歳=仮名)は 上京1年目、スーツ姿が似合う女性だ。会社帰りのある時、電車内の対面に座る男からずっとチラチラ見られる「見るだけ痴漢」の“被害”にあった。 不必要な視線は迷惑行為 優花さんが言う。 「先ほど(前回記事で)、お話した電車での一件以来、電車はもちろん、カフェなどの店内や、しばらくは街中ですれ違っただけの男性の視線すら、気になって不快感を覚えるようになってしまいました。もちろん、心労とまでは決して言えませんし、私が気にしすぎるようになっているだけなのだとは思います。 ただ、それからというもの、他の女性を見る男性の視線すらも、気になるようになってしまいました。例えば、少し混み合った電車でずっと側に立っている女性のうなじ付近を見ている人や、エスカレーターの上り方向に乗っている人が前に立つ女性の下半身を見ているところなどを見かけて、とても気味が悪い思いをしました。むろ
フレッシュの笑顔とは裏腹に 「大好きなサウナを満喫する時は、シャワーの水をこまめに止めています」 TBSの公式ユーチューブチャンネルでフレッシュな笑顔で語るのは、若手アナウンサーの渡部峻氏(28歳)だ。SDGsプロジェクトをPRする動画で、節水をアピールした。しかし、この青年の下半身の「蛇口」は緩かった。6月3日早朝、はた迷惑な事件を起こす。 「『Nスタ日曜版』に出演後、外食に繰り出し、朝方まで飲んで泥酔。その後、杉並区内の民家に上がり込んで、放尿するなどして通報されたのです」(TBS関係者) 警視庁杉並署の警察官に保護されたが、住人が被害届を出さなかったことから、逮捕には至らなかったという。
なぜ組織の上層部ほど無能だらけになるのか、張り紙が増えると事故も増える理由とは、飲み残しを放置する夫は経営が下手……。わたしたちはいつまで金銭や時間など限りある「価値」を奪い合うのか。そもそも「経営」とはなんだろうか。 経済思想家の斎藤幸平氏が「資本主義から仕事の楽しさと価値創造を取り戻す痛快エッセイ集」と推薦する13万部突破のベストセラー『世界は経営でできている』では、気鋭の経営学者が日常・人生にころがる「経営の失敗」をユーモラスに語る。 ※本記事は岩尾俊兵『世界は経営でできている』から抜粋・編集したものです。 勉強は経営でできている 図書館や喫茶店などにおいて一心不乱に教科書や参考書を蛍光ペンでカラフルに塗りたくっている人に出くわすことがある。 みるみるうちに三、四、五本と次々に新しい蛍光ペンが登場して彩りが足されていく。ときどき「ああっ、ピンクがもうないじゃん」などと愚痴をこぼしてい
20世紀を代表する哲学者とされるハイデガーですが、近年、海外におけるその求心力は急速に低下しているといいます。そのきっかけとなったのが、「黒いノート」と呼ばれるハイデガーの覚書です。そこには、「反ユダヤ主義的」な言辞が含まれている、とされたからです。 母国ドイツでは「触れてはいけない」哲学者となったハイデガー。 しかし防衛大学校の轟孝夫教授は、そうした態度は決めつけであり、ハイデガーのテキストを解釈すると、そう単純に反ユダヤ主義的と言い切れるものではない、と考えます。 そう主張する轟教授に、ドイツ人研究者はどんな態度を示したのでしょうか。 【本記事は、轟孝夫『ハイデガーの哲学 『存在と時間』から後期の思索まで』(現代新書)から抜粋・編集したものです。】 「黒いノート」編者のハイデガー研究者が言ったこと この「黒いノート」の刊行をきっかけとして、いわゆるハイデガーの「反ユダヤ主義」をめぐる研
なぜ組織の上層部ほど無能だらけになるのか、張り紙が増えると事故も増える理由とは、飲み残しを放置する夫は経営が下手……。わたしたちはいつまで金銭や時間など限りある「価値」を奪い合うのか。そもそも「経営」とはなんだろうか。 経済思想家の斎藤幸平氏が「資本主義から仕事の楽しさと価値創造を取り戻す痛快エッセイ集」と推薦する13万部突破のベストセラー『世界は経営でできている』では、気鋭の経営学者が日常・人生にころがる「経営の失敗」をユーモラスに語る。 ※本記事は岩尾俊兵『世界は経営でできている』から抜粋・編集したものです。 恋愛は経営でできている 恋愛はいつでも悲劇的な結果に終わる喜劇である。 実らなかった恋愛は常に、目的に対して過大な手段の罠、目的と手段の転倒の罠、短期志向と近視眼の罠……といった経営の問題として説明できる。 魔の谷:理想の恋愛不可能性定理 たとえば意中の相手に「家庭的な人が好き」
【シリーズ・小林快次の「極北の恐竜たち」】 今から何千万年も昔に、地球の陸上に君臨していた恐竜たち。シダ類やソテツ類の茂った暖かい地域で暮らしていたイメージがあるかもしれないが、彼らは地球上のあらゆるところに進出していた。南極大陸からも、北極圏からも恐竜の化石は発見されているのだ。 この連載では、北極圏のアラスカで15年以上にわたって調査を続ける筆者が、極圏での厳しい環境で、どのように恐竜たちが暮らしていたのか、その生態と進化の謎に挑むーー。
「遺憾ながら、貴社をお叱りする」 6月12日、フジテレビが、「ロサンゼルス・ドジャース」で活躍する大谷翔平(29歳)から「出禁処分」を下されていたことが、週刊現代の取材で判明した。その原因は、大谷がロスに12億円の豪邸を購入したことを詳細に報じたことで、大谷選手の怒りを買ったことによるものだ。 さらに直近、大谷同様、フジテレビに対して怒りをあらわにしている“企業”が現れた。アクティビスト、いわゆる「モノ言う株主」で知られる米投資ファンド、ダルトン・インベストメンツだ。 「遺憾ながら、この手紙の口調は(貴社を)お叱りするようなものになってしまった。しかし、事実は明らかである」 こんな文面が綴られた、フジテレビ経営陣宛ての書簡が、6月7日、ダルトンのHPに公開されたのである。 ダルトンといえば、現在、フジ・メディア・ホールディングス(HD)の株式の6.55%を保有している大株主。さらに5月30
県職員ならたいてい耳にしたことのある内容 兵庫県の斎藤元彦知事に対して、元西播磨県民局長のW氏(60歳)が衝撃の「内部告発」を行ったのは今年3月のこと。県民、世論から批判が止まることはなく、6月13日、兵庫県議会は51年ぶりに地方自治法に基づく強制力がある「百条委員会」の設置を決めた。県議会からも激しく突き上げられる斎藤知事は崖っぷち、兵庫県庁は大揺れだ。 W氏による内部告発は、齋藤知事のパワーハラスメント、公職選挙法や地方自治法違反などの疑惑、企業から贈答品などの受け取りなど、多岐にわたっている。 そのうち、贈答品については、齋藤知事の側近とされるH部長が、兵庫県内の企業からコーヒーメーカーとトースターを受領していたことも県議会で判明した。H部長は「受け取ったが開封していなかった」「失念していたので、企業に返却した」と説明。結果、この部長が戒告処分を受けたことでも、内部告発の信用性は高ま
習い事や家族旅行は贅沢?子どもたちから何が奪われているのか? 低所得家庭の子どもの約3人に1人が「体験ゼロ」、人気の水泳と音楽で生じる格差、近所のお祭りにすら格差がある……いまの日本社会にはどのような「体験格差」の現実があり、解消するために何ができるのか。 発売即3刷が決まった話題書『体験格差』では、日本初の全国調査からこの社会で連鎖する「もうひとつの貧困」の実態に迫る。 *本記事は今井悠介『体験格差』から抜粋・再編集したものです。 鎌田かおりさんは障害のある子どもを育てている。長男には発達障害(自閉スペクトラム症)がある。 ──今は鎌田さんお一人で二人のお子さんを育てられているんですね。 弟が小学校の2年、3年ぐらいのときに、弟が兄を精神的に追い抜いてしまったようなところがありました。その頃、兄は同じ小学校の高学年で、支援クラスにいて。1年生とか2年生の子たちと遊んだりしていました。 二
いま話題の退職代行、各メディアはこぞって「退職代行を利用する是非」にスポットライトを当てがちだが、私が気になって仕方なかったのは「そもそも、なぜ創業者は退職代行を始めたのか」だった……。これまで1万人以上の退職を成功させた「退職代行モームリ」を運営する、株式会社アルバトロス代表取締役・谷本慎二氏(35歳)へ話を聞いた。 聞き手:佐藤大輝(ブラック企業を2回訴えたヤバイ人) 自分自身が「辞めます」と言いづらかった ――まずは、谷本さんのキャリアについて教えてください。 神戸学院大学を卒業後、接客サービス業(東証一部上場企業)に新卒入社。店長職として、仕事漬けの毎日を過ごしました。20代後半でエリアマネージャーに昇格し、これまで以上に仕事漬けの生活を送りました。自分の人生はこのままでいいのか……。32歳を迎えた頃、勇気を出して退職。在職中は長期休暇がなかなか取れなかったので、1年ぐらいノンビリ
時速130キロだが飛行可能時間は…… 卵のような形をした二人乗りのコックピットから大きく張り出した何枚ものプロペラは、巨大なドローンのようだ。 跳ね上げ式の扉に頭をぶつけないよう気をつけながら機体に乗り込み、スポーツカーのような硬いシートに腰かける。室内で目に入るのは12インチのディスプレイだけ。その先には窓越しに広い視界が広がっていた。 飛行機やヘリコプターの操縦席にあるような計器類がないのは、あらかじめプログラムされたルートを飛行する自動航行方式を採用するためだ。計器類がないぶん足元も広々とし、両足を伸ばしてもまだまだ余裕があった。 6月5~7日まで幕張メッセで開かれたドローンの展示会「Japan Drone」。1年後に迫った大阪・関西万博で商業運転を目指す「空飛ぶクルマ」が搭乗体験できるとあって、機体の周りには順番を待つ行列ができていた。 展示された空飛ぶクルマは、EHang社(中国
東京は「子どもが生まれない」のウソ 日本の子どもが減っているのは、本当に東京のせいなのか。 6月5日に厚生労働省が発表した人口動態統計によれば、合計特殊出生率は1.20となり8年連続で低下して、統計開始以来もっとも低くなった。さらに、厚労省は都道府県ごとの出生率も発表したが、全国1位だった沖縄県の1.60に対して、全国最下位の東京都は0.99だった。 これを見れば、「日本の少子化は東京のせいだ!」と誰もが思うだろう。しかし、この統計の公表のされ方は、エコノミストや社会保障の専門家から「かなり胡散臭い」と思われていることをご存知だろうか。
日本を惑わす「少子化の正体」 6月5日に厚生労働省が発表した人口動態統計によれば、合計特殊出生率は1.20となり8年連続で低下して統計開始以来もっとも低くなった。また、厚労省は都道府県ごとの出生率も発表し、全国1位だった沖縄県の1.60に対して、全国最下位の東京都は0.99だった。 しかし、前編「意外!少子化を助長する「悪の権化」東京に、じつは出生率で「全国ベスト2」という“別のデータ”が存在していた…!日本の少子化対策を惑わせる「合計特殊出生率の大問題」」で見てきたように、これを真に受けて「少子化の原因を作っているのは東京都だ」と決めつけるのは早計だ。 合計特殊出生率は、その地域差を比較して少子化の原因を求めることにまったく適さないからだ。
慶応卒のエリートの子を「計画妊娠」した、37歳の専業主婦が「ハイスぺ婚」に絶望したワケ…こんなハズじゃなかった 意外に重い“学歴のチケット” 日本社会において学歴と年収は切っても切り離せない相関関係にある。indeedの調べによれば、最終学歴が高卒と大学・大学院卒の生涯年収を比較した場合、男性では約5600万円、女性で約6500万円の収入差があったことを報じていた。 しかし、単なる大卒というだけで、高卒よりも高収入が見込まれるはずもないことは周知の事実だ。現在は将来年収の目安も大学名で可視化されるため“学歴のチケット”は将来を考えるうえで意外に重い。 一方、少子高齢化の影響から働き手確保のための高卒需要も高まっている。東大の授業料値上げによる大学全体の学費高騰が危惧されるなか、働きながらキャリアを積み、転職してステップアップする道を選択する者も増加する可能性は十分にある。 借りた奨学金を返
コロンブスのアメリカ大陸への上陸は、侵略と先住民虐殺・虐待の先駆となり、さまざまな悲劇の始まりとなりました。 「コロンブスの交換」と言われるきわめて不均衡かつ不平等な交流はいったいどんなものだったのか。そして、世界史をどのように変えていったのか。 【※本記事は、青山和夫編『古代アメリカ文明 マヤ・アステカ・ナスカ・インカの実像』(12月14日発売)から抜粋・編集したものです。】 世界の生態系までも大きく変えた さて、コロンブスのカッコつきの「発見」は、世界史のきわめて大きな転換点であった。 コロンブスは、アメリカ大陸侵略と先住民虐殺・虐待の先駆となった。その後ヨーロッパ列強は、アメリカ大陸だけでなく、アフリカ、アジアやオセアニアの侵略・植民地化を推し進め、経済的搾取、政治的支配や深刻な文化変容をもたらした。 ヨーロッパ人の大航海と植民地支配によって、旧大陸とアメリカ大陸の間で人間(植民者
クスリの「効き」が違う 品質の問題もさることながら、肝心のクスリの“効き”にも違いがある。 もし「先発医薬品とジェネリックは同じ」だと考えているのであれば、それは大間違いだ。たしかにクスリの成分こそ同じではあるが、製造工程や添加物などが異なるため「完全に同じクスリ」とは言えない。銀座薬局の代表薬剤師・長澤育弘氏はこう解説する。 「ジェネリック医薬品と先発医薬品とを比較する際、厚生労働省の基準では『クスリが水に溶ける速度』が指標とされています。この溶ける速度が先発薬と比べて80~125%以内であれば『効果は同じ』と見なされます。逆に言うと、先発薬とジェネリックの最大の違いはこの水に溶ける速度なのですが、最大で45%もの幅があるので、その分効果も変わってきてしまいます」 前編記事『「ジェネリックでよろしいですか?」と聞かれたらこう答えるのが正解です』より続く。 さらに長澤氏はジェネリックの「デ
「宗教法人ほどおいしいビジネスはない」。取材に応じた中国人資産家は悪びれもせず語った。日本人が知らぬ間に水面下で進行している中国人による「神社仏閣買収」……。その驚きの実態を明かす。 勝手に墓を移された 江戸時代初期に創建された大阪市住吉区の名刹「薬師寺」。約400年の歴史を誇り、地域住民に親しまれてきたこの寺が突如として“買収”されたのは、約4年前のことだった。 薬師寺に先祖代々の墓があった元檀家の男性(90代)はこう憤る。 「ある日、近所の人から『お前のとこの墓がなくなっとるで』と言われて慌てて見に行ったら、墓が寺の境内から市道脇に移されていたんです。本堂も解体されていて……。 事情を聞くと、『どうやら薬師寺の住職が不動産会社に売却したらしい』と。そして、邪魔なお堂と墓を勝手に移したらしいですわ。そんなこと許されるんかと思いましたが、問い合わせをしても『法律上は問題ない』と言われるだけ
「宗教法人ほどおいしいビジネスはない」。取材に応じた中国人資産家は悪びれもせず語った。日本人が知らぬ間に水面下で進行している中国人による「神社仏閣買収」……。その驚きの実態を明かす。 前編記事『突如、菩提寺が中国寺に…!檀家からは「仏罰が下る」の声…!日本の寺と神社を中国人富裕層が「爆買い」する「驚きの理由」』より続く。 「住職は派遣で十分」 JR松戸駅からタクシーに乗り込み、寺の門前に到着。テニスコート2面分はあろうかという広い境内に入り、本堂や併設されている墓地を早足で見て回りながら、王さんはこう語った。 「寺を買う動機は、ビジネスとして手堅いと思っているからです。日本はすでに多死社会に突入しており、葬儀や法要のニーズは年々高まっている。読経する僧侶を手配する『お坊さん便』など、さまざまな法要ビジネスが始まっていることからもそれは明らかでしょう。 私がこれまで内見してきた寺は、1000
明治維新以降、日本の哲学者たちは悩み続けてきた。「言葉」や「身体」、「自然」、「社会・国家」とは何かを考え続けてきた。そんな先人たちの知的格闘の延長線上に、今日の私たちは立っている。『日本哲学入門』では、日本人が何を考えてきたのか、その本質を紹介している。 ※本記事は藤田正勝『日本哲学入門』から抜粋、編集したものです。 「学の哲学」から「生の哲学」へ 日本の哲学の基礎が踏み固められるうえで西田幾多郎が果たした役割は大きいが、それを踏まえ、あるいはその影響を受け、日本の哲学は大正から昭和に入った頃にさらに多様な展開を遂げ、豊かな成果を生みだしていった。ちょうどこの時期に多くの研究者がヨーロッパに留学し、新しい哲学の潮流に触れたこともその要因となった。 たとえば九鬼周造や田辺元、阿部次郎、三木清、高橋里美、務台理作、和辻哲郎らが大正の後半から昭和の初めにかけてドイツ、フランスに留学し、帰国後、
顧客がいない!? 3つ目の不安は、仮に2ナノメートル半導体の量産に成功したとして、それを使う顧客がいるかどうかである。前出の大山氏はこう指摘する。 「自らは設計せず、生産に特化するファウンドリには、ティーチャー・カスタマー(教師役の顧客)が不可欠です。TSMCにとってはアップル、サムスンのファウンドリは自社のスマホ部門がそれに当たります。 最先端の製品を手がけるティーチャー・カスタマーは、何年先にどんな半導体が必要になるかをファウンドリに教え、ファウンドリが量産した半導体を大量に買い付けます。闇雲に2ナノを作っても、買い手が現れなければビジネスになりません」 経営者は「退役兵」とも言える70代で、現場も経験不足。量産はおぼつかないうえ、仮に成功しても買い手が見当たらない。そんなプロジェクトに1兆円もの血税を投じるのは、「経済安全保障」の名の下に、半導体産業が政官利権になりつつあるからだ。
「日の丸半導体の復活」――錦の御旗を掲げた経済産業省によって、約1兆円もの税金が新会社「ラピダス」に注がれている。しかし北海道千歳市に工場を建設中の同社は、大政奉還後に新政府軍に抵抗した旧幕府軍になぞらえて、「半導体の五稜郭」とも呼ばれる。 「最先端である2ナノのロジック半導体の量産」を目標に掲げるラピダスだが、旧幕府軍と同じく、その夢が実現できるとはとても考えられない。前編記事『99%が税金の半導体会社「ラピダス」はもはや国有企業…そのウラにある経産省の「思惑」』に続き、その理由を解説していこう。 合計145歳の経営者コンビ 取材を拒まれたので、一方的にラピダスへの疑問を誌上でぶつけてみたい。「2ナノ半導体の量産」については多くの専門家が、3つの点から「不安」を指摘している。まず経営者だ。 ラピダスの会長には発足のきっかけを作った東氏が就任した。東氏は現在74歳。1996年から2016年
アイスランドで見えたもの1 後編 日本は42年遅れてる?ジェンダーギャップ指数15年1位の国が「男性育休義務化」を推進する意味 2017年に首相に就任、「女性の休日」でもにも参加したことで話題となったアイスランドのカトリン・ヤコブスドッティル首相(写真左)。2024年の大統領選挙出馬のために辞任するまで7年、男性育休義務化も強く推し進めてきた Photo by Getty Images 画像ギャラリーを見る → 2024年もジェンダーギャップ指数が公表された。日本は146ヵ国中125位だった昨年から少し順位を上げ、118位。ただしG7では最下位のままだ。 では、ジェンダーギャップ指数の上位の国は、どのような環境で上位となっているのだろう。ジャーナリストの浜田敬子さんが、15年連続1位となったアイスランドにて取材。前編では、「平等」を連帯して声をあげるために、男女の賃金格差の解消に力を入れて
「中国は今、プーチンの道具となっている」 6月2日から数日間、覇権外交推進の習近平政権は国際舞台で連続の痛手を被り、まさに四面楚歌の苦境に立たされた。 まずは6月2日、アジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)に急遽出席したゼレンスキー ・ウクライナ大統領が記者会見において初めての本格的な中国批判を展開した。彼の中国批判は下記の3つのポイントから成っている。 1)ロシアの兵器を構成する部品が「中国から来ている」との認識を示し、「中国のロシア支援は戦争を長引かせる」と批判。 2)6月にスイスで開催予定の「平和サミット」について、中国の不参加に触れながら「不参加は戦争支持となっている」と批判の上、「中国が他国に参加しないよう働きかけている」と非難。 3)「中国は今、プーチンの道具となっている」と、皮肉の口調で大国・中国の振る舞いを嘲笑ったのである。 そして6月3日、シンガポールを後にした
大谷が激怒したワケ 「ロサンゼルス・ドジャース」で活躍する大谷翔平(29歳)から、日本テレビとフジテレビが「出禁処分」を下されていたことが、週刊現代の取材でわかった。 「日テレとフジは、ドジャースから貸与されている『取材パス』を凍結されてしまったのです。さらに、大谷選手のマネジメントなどを行っている会社からも、『大谷の過去素材を使用しないよう』通達された。 これにより、日テレは6月9日放送のスポーツ特番に関しても映像の差し替えを余儀なくされました。局内は蜂の巣をつついたよう騒ぎになっています」(日テレ関係者) 日テレとフジは、なぜそこまで大谷を怒らせてしまったのか。 「日テレとフジは先月、大谷選手がロスに12億円の豪邸を購入したことを詳細に報じました。空撮映像や自宅前からのレポート、近所へのインタビューなどワイドショー取材のような映像を流した。まるでお祭り騒ぎでした。 大谷選手はこれらの報
事前予測に近い戦略だが…… アップルは現地時間の6月10日、米国・カリフォルニア州の本社で年次開発者会議「WWDC」を開催した。 そこで打ち出されたのは、かねて噂されていたとおり、同社のAI戦略だ。その内容は確かに、事前に予測されていたものに「近く」見える。そして、ライバルでもあるはずの、「ChatGPT」を手がけるOpenAIとの「乗り合い」にも見えるものだ。 しかし、アップルはかなり「徹底」している。 ある意味で、アップルが以前からつねに強調してきた「プライバシー重視」というあり方が、他社以上に強く反映された発表だったといえるだろう。 それはどういうことなのか? 現地での取材から紐解いてみよう。 Vision Proは6月28日から日本発売 アップルは、「WWDC」を毎年6月に開催する。 WWDCは、同社の製品群で使われる各種OSの最新バージョンがお披露目され、その上で動作するアプリケ
2005年に台湾南部の都市・高雄市で創業し、台湾全土に7店舗を構える「ツクヨミメイドカフェ」(月讀女僕珈琲、以下「ツクヨミ」)。その日本初進出となる「秋葉原店」が昨年12月にオープンした。 インバウンド客で賑わう都心の繁華街として“夜の街化”も囁かれる秋葉原に、台湾で随一の人気と歴史を誇る正統派メイドカフェが“逆輸入”されたことで話題となった同店。「ツクヨミダイニングカンパニー」のオーナー・鄭傑中(ていけっちゅう)氏をインタビューし、“メイドカフェ”にかける愛情と情熱を聞いた。 台湾でも市民権を得ているメイドカフェ 「ツクヨミ」が店を構えているのは、末広町駅からも程近い中央通りに面した飲食店ビル。同じく海外進出にも注力する世界最大級のメイドカフェグループ「めいどりーみん」も入る、秋葉原の代表的なメイドカフェビルだ。 「昔ながらのメイド喫茶・メイドカフェという業態が、今の秋葉原でどこまで受け
誰もが知る人気イタリアンレストランチェーン、サイゼリヤ。海外にも多くの店舗を展開するサイゼリヤだが、日本の店舗との違いはあるのだろうか? サイゼリヤ元社長で、著書『サイゼリヤ元社長が教える 年間客数2億人の経営術』を上梓した堀埜一成氏が、日本と中国の注文のしかたを比較しつつ、「食のローカライズ」の重要性について語る。 中国のサイゼリヤでは何が売れている? 日本では、日本人の口に合わせたイタリアンが売れるように、中国のサイゼリヤでは、中国人の好みに合わせた麻辣パスタをメニューに加えていて、やはりこれも人気があります。 その土地の好みに合わせた「食のローカライズ」が大事なのは、日本だけではないということです。 日本と中国を比べると、注文のしかたにも顕著な違いが表れます。 ジャンルごとの注文数を比較するために、日本の注文を標準偏差50としたときの中国の偏差値を見ると、「前菜」「スープ」「パスタ」
最初はまだ「クマに喰われていなかった」!遺体の「第一発見者」が告白…秋田でクマに襲われ死亡した男性が明かしていた「恐怖」 秋田県鹿角市(かづのし)大湯の山中で一人の男性が亡くなった。佐藤宏さん(64歳)。5月15日、この時期に旬を迎える根曲り竹を採りに、妻と親族女性とともに現地へ向かったあと、一人で山に入ったのちに行方がわからなくなった。通報を受けた地元の警察と消防は3日間捜索を続けたが、佐藤さんの姿を発見することができなかった。 これまでの報道では、行方不明後4日目の5月18日に佐藤さんを発見、現場から搬送する際に警官2名がクマに襲われ重傷を負ったと伝えられている。 しかし実はは、これまでの報道で触れられていない事実がある。亡くなった佐藤さんと長年交流を続けていた「仲間」Aさんの存在だ。 前の記事『クマの攻撃で鼻が半分取れ、「顔中血まみれ」の警察官が「助けてください」と…秋田でクマに襲わ
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