「色覚異常」に対する偏見や差別が、大きく改善されてきているという。このテーマに長くかかわってきた高柳泰世(たかやなぎ・やすよ)さんが2011年6月末、東京で開かれた「日本色覚差別撤廃の会」(石林紀四郎会長)で報告した。 高柳さんは名古屋市の女性眼科医。1973年に開業して小中学校の学校医を引き受け、初めて色覚差別を知った。色の見え方が通常と違っていて、日本で開発された色覚検査表を正しく読めない子どもは「色覚異常」と判定された。工業高校、さらには大学入試も受けられなかった。 その後、全国の国公私立大学484 校の学部・学科の1985年の大学入試要綱を集めて分析したところ、入学制限が1学部でもある大学は、国立では49%、公立で13%、私立で7%もあった。教育、医、薬、農学部の順で多かった。この結果は86年1月に専門誌に発表され、新聞報道されて大きな関心を呼んだ。 欧米では「まったく問題なし」な