大学生(もちろん人間)の花と、おおかみおとこ(でも人を噛んだり満月の夜に変身したりはしない)との間に生まれた"おおかみこども"、姉の雪と弟の雨。でも父は不慮の事故で亡くなり、花は人間とおおかみの両方の性質を持った姉弟を女手ひとつで育てていこうと決心する・・・。タイトルからは想像不能だが、ファンタジーというよりも完全に子育て映画(!!)である本作は、『時をかける少女』『サマーウォーズ』以上に端正な絵柄と、繊細かつ生命力にあふれた感情表現、そして潔くも清々しい物語に、観る者の背筋もきりりと伸びる細田守の新展開だ。取材・文/ミルクマン斉藤 Profile 細田守 (ほそだ・まもる) 1967年生まれ、富山県出身。91年に東映動画(現・東映アニメーション)に入社。アニメーターとして活躍後、演出家に転向。その後フリーとなり、06年に手がけた劇場版『時をかける少女』では日本アカデミー賞 最優秀アニメー
Q:細田監督にとって「サマーウォーズ」につづくオリジナル作品となりますが、アイデアはいつ頃からあったのでしょう? 細田監督:「サマーウォーズ」が終わってからですね。「サマーウォーズ」はとても賑やかな、サービス満点の作品だったので、趣向を変えてシンプルさが魅力になるような、力強い話を創りたいなと考えました。 Q:宮﨑さんが出演に至った、大きな決め手は? 宮﨑さん:ひと目惚れでした。声のお仕事は自分の本業ではないので、声優さんというプロの方がされるほうが観やすいのではないかな、本当に自分でいいのかなと、お話をいただくたびに考えてしまうんです。でも今回は、そういった考えより先に、この作品を自分が観たいと思いました。自分が観たいと思える作品に関われることは、とても幸せなことなので、すぐに「やりたいです」とお返事しました。 細田監督:主人公の花は、とても難しい役だと思うんですよ。「19歳から
『時をかける少女』、『サマーウォーズ』が高く評価され、今や世界でもっとも注目を集めるアニメーション監督、細田守。最新作『おおかみこどもと雨と雪』制作の背景をうかがいました。 細田守 『おおかみこどもの雨と雪』監督 PROFILE 1967年生まれ。富山県出身。’91年東映動画(現・東映アニメーション)入社。’06年『時をかける少女』、’09年『サマーウォーズ』は海外でも高く評価された。2011年、自身のアニメーション映画制作会社「スタジオ地図」設立。 週アス:『おおかみこどもの雨と雪』は細田監督が子育てにあこがれを感じたのがきっかけだそうですが。 細田監督:あこがれに感じちゃったんですよね。友人宅に子供ができて、すごい充実している顔を見て、「いいね、うちも子供欲しいね、アマゾンでクリック」みたいなわけにはいかないじゃないですか。よけいにあこがれがつのるというか、クリックできないぶん、映画に
5月19日から全国公開となった映画「虹色ほたる~永遠の夏休み~」 主人公ユウタは山で豪雨に襲われ意識を失う。気が付いたら30年以上前の1977年にタイムスリップ。 夏休みの一ヶ月間、その時代に居続けなければいけない、と不思議な老人は言う。 なぜ、時を超えたのか。ユウタをいとこのお兄ちゃんとして慕う少女、さえ子。ダムに沈むことが決まった山奥の村でユウタは夏休みをどう過ごしていくのか、というところからはじまる「虹色ほたる」の物語。 川口雅幸がホームページで連載していた小説は、人気投票サイトで上位にランクインし、出版。売上は40万部を突破し、映画化。 手がけるのは「ワンピース」「ラブ★コン」「銀河へキックオフ!!」などの宇田鋼之介監督。 試写を観たときに、映像のすごさに圧倒された。終盤、虹色ほたるのシーンは、ぜひ観たほうがいい! 現代と1970年代の子ども観、原作の小説と映画の相違点、特徴的な絵
ほたるが導く日本の原風景『虹色ほたる~永遠の夏休み~』宇田鋼之介監督インタビュー カテゴリアニメインタビュー 2012年05月18日20:52 東映のオリジナルアニメーション『虹色ほたる~永遠の夏休み~』は5月19日から全国の映画館で封切りされる。最近では「ONE PIECE」「プリキュア」など、アクションシーン満載のアニメを得意とする東映アニメーションスタジオだが、この作品は日本の大自然を舞台に、誰の心の中にもある永遠の夏休みの中で『ひとりの少年の成長』と『人との絆』を圧倒的な映像美で描いた、懐かしくも切ない感動ファンタジーである。 同名の原作は、著者・川口雅幸氏が自身のホームページで連載していた小説が人気投票サイトで上位にランクし、出版に至ったという経緯を持つ。本はアルファポリスから刊行、文庫版も含めて40万部を突破している。 父親との思い出・昆虫採集・花火・夜店・夏祭り・子供同士
みずみずしく青春描く アニメ映画「時をかける少女」 2006年07月19日 アニメ映画「時をかける少女」が首都圏と愛知で公開中だ(順次全国)。何度も映像化されてきた筒井康隆の短編をもとに、原作の主人公のめいが時間を行き来するオリジナルストーリー。ちみつな映像作りでアニメファンに注目されてきた新鋭細田守監督が、みずみずしい青春映画に仕上げた。 細田守監督 17歳の真琴は、同級生の功介、千昭と野球に興じる快活な少女だ。ある日、ジャンプすることで時を超える能力に気付き、食べ損ねたプリンのために昨日に戻るなど、たわいのないことに力を使う。千昭から「つきあって」と告白されうろたえた真琴は、時間をさかのぼって「なかったこと」にしてしまうが……。 筒井ファンの細田監督がこの「時かけ」で目指したのは、「ノスタルジックに青春を振り返るのでなく、未来が不確かな今、夢に向かって走っている子を応援する物語」という
少し前に『時をかける少女』制作中の細田守監督と「映画とは何か?」をテーマに話をしてきました。これは僕にとって、ここ数年間、ずっと気になっていた事なんです。「映画館で公開されたものは全部、映画だ」と言ってしまっても間違いではありません。それがシンプルな定義です。ですが、人がある作品について「これは映画だ!」と言う場合、別の基準で「映画かどうか」を判断して言っているわけですよね。その定義は人によって、また場合によっても違うはずです。そんな事について、ちょっと考えてみましょう。 小黒 ここ数年、「映画」というものが気になっているんだ。「映画って何なんだろう」みたいな事を考えたりしているわけ。 細田 どうしたんですか。アニメ様が映画を気にするなんて(笑)。 小黒 映画が分かってないと、アニメも分からないと思ったからなんだよ。アニメの劇場作品について「これは映画だ」とか「これは映画ではない」と言った
MESSAGE 筒井康隆氏によって「時をかける少女」が書かれてから40年。 当時、少女たちは、「時をかける少女」を読み、未来を夢見た。 そして今、かつて未来と夢見られた21世紀に僕らはいる。 けれど、決してあの頃、少女たちが憧れた未来ではないはずだ。 では、夢見たはずの未来の姿は、どこへ行ってしまったのか? 現代の少女たちも、かつてと同じく、未来を夢見るのか? ならば、その未来とは、どのようなものか? この映画には、ふたりの女性が登場する。 ひとりは、かつて、「時」をかけた女性。 もうひとりは、今、「時」をかける少女。 このふたりのヒロインを通じ、時代によって変わっていくものと、時代を経ても変わらないものについて考えてみたいと思う。 「時をかける少女」には、その時々の言葉で、時々の方法で、時々の少女たちで、何度も語られるべき、世界の秘密が隠されているのだと思う。 監督・細田守 本当の意味で
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