三菱電機が、自社でつくっている鉄道車両用部品について、品質検査の結果を偽装していた。30年以上続いていた可能性があるうえ、架空データを作成するための専用プログラムまで使われていたといい、問題の根は深い。原因究明と再発防止を徹底する必要がある。 偽装の対象には、三菱電機のシェアが国内トップの鉄道用空調装置に加え、ブレーキやドアの動作にも使う空気圧縮機も含まれていた。「製品そのものの安全・機能・性能には問題ないことを確認している」というが、鉄道という社会インフラをめぐる不正は重大だ。 納入先企業だけでなく、その先に多くの利用者がいることを自覚し、社会に対して説明を尽くさねばならない。現時点まで一枚紙の報道発表資料を出しただけで、責任者が会見も開かないのは理解に苦しむ。 ここ数年、日本の大手製造業で、検査や品質をめぐる長年の不正が相次いで発覚してきた。中でも三菱電機は18年以降、毎年、検査や品質