帝国データバンクの調べによると、2023年度の倒産件数は8881件と9年ぶりの高水準となった。 (図表)2023年度の企業倒産件数 2024年度は本業の利益で借入金ができない状態に陥る「ゾンビ企業」の淘汰が進み、倒産件数は1万件突破も視野に増加が見込まれるという。 帝国データバンクは「今こそ『倒産=すべて悪』という固定観念から脱し、新陳代謝を促すツールやバロメーターの側面もあると、認識を改めるべき時かもしれない」と、中小企業の大量倒産を許容するような言葉で分析を締めている。 ■「別に社長が社員を搾取しているわけじゃない」 これを読んだ中小メーカーの社長Aさんは、複雑な心境を明かす。大手消費財メーカーのOEM生産を請け負うAさんの会社も「ゾンビ企業」呼ばわりをされることがあるが、その状況を打破することは簡単ではないのだという。 「私たちは安くて良質な製品を作ることで、社会の役に立とうとしてい