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ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/column (6)

  • 嫌イスラームの再燃を恐れるイスラーム世界

    シャルリー・エブド誌襲撃事件は、世界を震撼させている。欧米諸国を、というより、世界中のイスラーム教徒を、だ。 フランス版9-11事件ともいえるほどの衝撃を与えたこの事件に対して、イスラーム諸国は即刻、テロを糾弾し、フランスへの哀悼を示した。フランスと関係の深い北アフリカ諸国や、経済的なつながりの強い湾岸諸国はむろんのこと、ほとんどの中東の政府、要人が深々と弔意を示している。エジプトにあるスンナ派イスラームの最高学府たるアズハル学院も事件への非難声明を出したし、欧米諸国から「テロリスト」視されているレバノンの武装組織ヒズブッラーですら、惨殺されたフランスの漫画家との連帯を表明している。 意地悪な見方をすれば、この事件がイスラーム教徒の「踏絵」と化しているともいえる。ちょっとでも犯人側をかばうような発言をして、今後吹き荒れるのではと懸念される欧米での嫌イスラーム風潮に巻き込まれて、「テロリスト

    Fuetaro
    Fuetaro 2015/01/10
  • 少子化対策のヒントは出産天国フランスにあり

    今週のコラムニスト:レジス・アルノー 〔8月15・22日号掲載〕 日人女性がフランスに魅せられる理由はいくつもある。美術館、おいしいワイン......。私はパートナーのおかげで、もう1つの理由に気付いた。昨年彼女が妊娠し、私たちは現実的な理由からフランスではなく東京の病院で出産することにした。女性が子供を産むに当たって、日はとても安全な国。ところが看護師たちは素晴らしいのに、日で出産するのはフランスよりはるかに大変だった。 私の友人の日人女性は昨年5月にマルセイユの病院で出産した。分娩室に入ったらボブ・マーリーのレゲエ音楽ががんがん流れていたそうだ! これが日の病院だったら不安になりそうだが、スタッフがプロ意識に徹していたので安心したという。「2時間で終わった。全然痛くなかった」と友人は当時を振り返る。産後の回復も早く3日間の入院で済んだ。 フランスでは普通、出産するのはパリのホ

    Fuetaro
    Fuetaro 2012/08/27
  • 無料航空券バラマキでは外国人は呼べない

    今週のコラムニスト:レジス・アルノー 〔11月2日号掲載〕 日旅行業界は新時代に突入しようとしている。かつて航空会社といえば日航空(JAL)と全日空(ANA)ぐらいだったが、今ではピーチアビエーションのような格安航空会社が参入。そして、今度は外国人旅行者をタダで運ぶ組織まで登場したのだ。その名はJTA──日の観光庁だ。 これはアイドルグループの嵐を「観光立国ナビゲーター」に任命したのに続くJTAの観光振興策だ。1万人の外国人を対象に、日への往復航空券を無料で提供するという。 嵐の起用とは異なり、この思い切った計画は世界のメディアの注目を少なくとも一瞬は集めた。大胆さでは世界でも例のないプロジェクトだ。フランス政府観光局のある関係者は私にこう言った。「新規顧客の開拓のためにフランス政府から航空券を50枚手に入れるのだって大変なのに、1万枚とはすごい数だ。今でも日はよほどリッチなん

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    Fuetaro
    Fuetaro 2011/11/07
  • 米国人ラッパーが作った最強の東京PRビデオ

    今週のコラムニスト:レジス・アルノー 〔10月12日号掲載〕 東京という街を宣伝する史上最高の広告。これを作ったのは日人ではない。ギリシャ出身の無名の監督とアメリカの超人気アーティストだ。 霞が関のお役人の中で、ファレル・ウィリアムスの名を聞いたことがある人はそう多くはないだろう。だがウィリアムスは世界的なスター。73年生まれで、知名度においても影響力においても、同世代のアーティストの中では抜きんでた存在だ。多才な人物で、ラッパーであり歌手であり、ヒット曲を数多く手掛けたプロデューサーであり、作曲家であり、デザイナーとしての実績もある。 要するに、ウィリアムスは流行の最先端にいる人間ということになる。一歩先を見て、べ物や音楽旅行先のトレンドを動かす「世界のトレンドセッター」であり、世界中の若者たちが彼の意見に耳を傾ける。宣伝マンとしてはこれ以上望むべくもない存在だ。 そしてありがたい

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    Fuetaro 2011/10/17
  • スカイツリーは東京衰退のシンボルだ | TOKYO EYE | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    今週のコラムニスト:レジス・アルノー パリにモンパルナス・タワーが完成したのは1972年。フランスで一番高い超高層ビルとして、街の中心部に誕生した。この建物は当時、現代化への道をひた走る「新生フランス」をリードする「新生パリ」のエスプリのシンボルして期待された。それは「ほかの先進工業諸国に遅れを取るものか」という意思表示だった。 だがその外観はといえば、六木ヒルズよりはややマシという程度の醜悪さ。時とともに、モンパルナス・タワーは大きな過ちだったことが明らかになってきた。パリの景観を壊しているのだ。 パリは歴史的に「平ら」な都市だ。太陽の光はまっすぐ地面に届き、木々はすくすくと育つ。たちの悪い旅行会社にそそのかされでもしない限り、モンパルナス・タワーを訪れる日人観光客などいないだろう。パリにはこんなジョークもあるくらいだ。「パリで最も美しい景色は、モンパルナス・タワーからの眺め。なぜか

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  • 既存メディアの限界なのか | Newsweek斜め読み | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    連日多数の人が殺され、それを報道する新聞記者たちも、次々に消されていく。たまりかねた新聞社は、遂に報道の自由を放棄。麻薬密売組織のことを報道しなくなってしまった。 こんなことが、報道の自由を謳歌しているアメリカの隣の大国で起きているのに、日の国内では、大きな扱いにはならない。これに歯がゆい思いをしていたのですが、誌日版10月20日号は、ようやくこの問題を取り上げました。「麻薬戦争に現われた『救世主』ブログ」というタイトルの記事です。麻薬戦争が繰り広げられているのは、アメリカの南隣のメキシコなのです。 この記事には、麻薬カルテルによって殺されたと見られる死体が吊るされているショッキングな写真が添えられています。極めて衝撃的なシーンを撮影した写真ですが、極力グロテスクにはならないように配慮されてもいます。残虐な事件は、写真によって迫真的になるけれど、目を背けたくなってしまう。こんなジレン

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