わたしの父母は、昭和天皇のことを「てんちゃん」って呼んでた。 天皇誕生日やら外国へ行きましたやら、何かテレビニュースに彼が映ると「てんちゃんも年とったなー」なんて言ってったけ。 「てんちゃん」のお葬式の時は、テレビは普段のルーティーン放送ではなくて特別放送ばかりだった。 子供だったわたしは、父と一緒にレンタルビデオ屋さんに行ったんだけど、借りたいものはみな貸し出し中で、面白くもつまらなくもないアメリカ映画をなにか何本か借りた。 もうすぐ代替わりするんだけど、「てんちゃん」が無表情で手を振っていたころとは、ずいぶんいろいろ変わったなー なんて最近思う。