2012年の仏「ジャパン・エキスポ」で、出版社の大プッシュを受けて強烈に目立った若手漫画家・筒井哲也。最新作でソーシャルネットワーク時代の不安を鋭く描いた新世代の奇才に現地ジャーナリストが迫った。 フランスとの深い縁筒井哲也 (Photo : Laurent Koffel) パリ郊外で開かれた第13回「ジャパン・エキスポ」(2012年7月)。今回も萩尾望都、浦澤直樹といった漫画界の大御所が招待された。その中でひときわ若さを感じさせたのが筒井哲也だ。しかし2007年のパリ国際ブックフェア、2008年のジャパン・エキスポに続き、筒井の渡仏はすでに3度目。今回はジャパン・エキスポに先立ち、北はブリュッセル(ベルギー)から南はマルセイユまで8都市でサイン会を行なった。日本の漫画家としては過去に例がない。筒井はそれほどフランスで人気がある。 フランスで最初に作品が出版されたのは2004年。自身のホー