◇農業は「グローバル製造業」◇ いま日本で、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)参加について議論が白熱している。 TPPへの参加は、日本農業が発展を遂げるための大きなチャンスである。これは東日本大震災前も震災後も変わらない。むしろ、震災後のほうがその意義は大きくなっている。 その議論の前に、まず前提としていっておきたいことは、いつの時代も肝心なのは、農家が健全な経営(黒字経営)を行なう、ということである。TPPがあろうがなかろうが、これは農業継続の必須条件だ。 民主党は、農家に所得を補填すれば農業が成長すると思い込んでいる。今年度は、コメの生産調整に参加した農家への交付金に加え、政府が新規需要を見込む、飼料米、米粉、ソバ、ナタネなどに対して、8,000億円もの予算が投入される。 だが特定の赤字作物への予算投下は、土地の生産能力と不釣り合いな農地代の上昇、補填を見込んだ作物価格の下