シリア内戦は9年もの間続いている。北西部イドリブやその周辺で暴力行為が激化し、同地域で最悪の人道的危機に直面している。
真夏のイラクに来て1週間がたとうとしていた。気温50度にも迫る熱気は心身をなえさせる。 「やはり無理か」 あきらめかけていた時、現地のイラク人仲介者から「やっと見つかった」という連絡が入った。 私たちが探していたのは「シリア帰りの戦争屋」。 広い情報網を持つ仲介者でも、これまで「接触は不可能だ」と繰り返していた。米国からは「テロリスト」とされる人物が、私たちの前に姿を見せるのか。連絡を受けてもなお、半信半疑のままでいた。 翌日、私たちは指定されたイラク中部にある民家の薄暗い一室に通された。仲介者は「人目につく場所では何が起きるかわからないので」とだけ説明した。 部屋に入ってきた若い男は中肉中背、シャツにジーパン姿。ボタンがはち切れそうなくらいパツパツになったシャツは、中の鍛え上げた肉体をうかがわせた。 名前はムハンマド、30代独身。 私たちは彼の戦闘員名、生年月日も確認した。だが、ムハンマ
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