<ウイグル、ロヒンギャ──少数民族弾圧に注がれる世界からの厳しい視線が、両国を近づける> 中国の習近平(シー・チンピン)国家主席は1月17日から2日間のミャンマー訪問を通じて、アウンサンスーチー国家顧問兼外相と「相思相愛」の関係を構築した。両国は共同声明で、巨大経済圏構想「一帯一路」への協力強化を宣言するなど、多くの「互恵関係」に即した「共同事業」の具体化に着手するとアピールした。 世界最大の独裁国家の指導者である習がノーベル平和賞受賞者のスーチーと握手したのは、何も国内外の問題を穏便な手法で解決しようとしているからではない。2人がトップを務める2つの国家に世界から厳しい視線が注がれていることが、相互に接近を促したのだ。 まず、スーチーのミャンマーはイスラム系少数民族ロヒンギャを弾圧し、無数の難民を隣国バングラデシュに流入させたことで、国際的な非難を浴びている。ロヒンギャ弾圧は国連が定めた