教育の目標は学力を高めることではない フィンランドは北欧の小国だが、2000年代にPISA(15歳児童の学習到達度国際比較)のランキングでトップクラスになったことをきっかけに、その教育が日本でも注目されるようになった。それ以後、フィンランドの教育は「学力が高い」という視点から取り上げられることが多かった。 しかし、フィンランドの教育は、「学力」を高めることを目標にしているわけではない。 私には、フィンランドで生まれ育った24歳の息子がいる。私が体験したフィンランドの教育の第一の良さは、教育が子どもを中心にして構想されていることだ。 子どもは、一人ひとり異なる。すべての子どもは、あるがままでかけがえがない、とする肯定的な子ども観から出発する。 教育の目標は、学力を高めることではなく、子ども一人ひとりが自分らしく発展し、自分らしく生きていくことである。 第二の良さは、教育がシンプルであることだ