日韓請求権協定は紛争解決手段として2国間協議と仲裁委の設置を定める。日本政府は昨年10月、韓国最高裁が日本製鉄(旧新日鉄住金)に賠償を命じたのを受け、今年1月、韓国に協定に基づく協議を要請した。韓国は応じず、5月に仲裁委の設置手続きに移った。18日は韓国側の最終回答期限だった。 日本政府は「請求権問題の完全で最終的な解決」という協定の根幹が崩れることを懸念する。日本は協定に基づき経済協力として韓国に計5億ドルを供与した。差し押さえられた日本企業の資産が売却され原告に支払われれば「他国への戦後補償に影響しかねない」(外務省関係者)とみる。 日本政府は国際司法裁判所(ICJ)への提訴も視野に入れ、韓国政府に引き続き対応を促す。実質的な解決策が示されず資産が売却されれば、韓国政府への損害賠償請求も検討する。自民党内には日本を訪れる韓国人への査証(ビザ)発給の厳格化や韓国から輸入する製品への関税引