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ブックマーク / note.com/quantumuniverse (3)

  • 無限に深い量子井戸に潜む、物理学徒の数学への隷属とその開放|Masahiro Hotta

    量子力学を学ぶとき、数学の厳密な関数論の知識が不可欠、もしくはそれがないと理解できない例があると主張される教科書などがあります。それを読んだ物理学徒たちの中には、自分達が普段行っている計算は「いい加減」で「不正確」だと思ったり、また一知半解の数学徒からマウントをとられて劣等感を持ったりする人もいるようです。そしていつの間にかに「数学が上で、理論物理学は下」だと、数学の理論こそが正しい物理学の理論を与えるものだと、潜在意識でまで思うようになり、数学に隷属化される物理学徒も見受けます。しかし数学者ではなく理論物理学者である私は、それは全く的外れだと考えています。 フォンノイマンは関数論を使って量子力学の数学的基礎を開拓したことでも有名です。彼は天下り的に量子状態の空間は完備性をもつヒルベルト空間であると定義をしました。そして物理量はその空間に作用をする自己共役演算子であると、また定義をしました

    無限に深い量子井戸に潜む、物理学徒の数学への隷属とその開放|Masahiro Hotta
    akymrk
    akymrk 2024/04/26
    “量子力学に関する実験や観測が行われてきましたが、それらの結果のどこにも状態空間の完備性を要求する事実はない”"完備性とは、量子状態のコーシー列を考えたときに、その収束先も量子状態であるという仮定"
  • トンネル効果:「机をたたき続けると手がすり抜ける」という説明について|Masahiro Hotta

    一般向け書籍やメディアで物理学者が量子力学のトンネル効果を説明をするときに、「机の表面を叩き続けると、手がすり抜けます」と解説することがあります。これはもちろん分かりやすさのための方便ですが、大雑把にその物理の面白さを伝える良い説明として、広く定着しています。 トンネル効果は主にミクロな対象で起きることが知られており、例えばコンピュータ内の超微細な集積回路では、このトンネル効果のために電子が隣の導線に飛び出して漏電を起こし、高熱を発しています。 ところが「手」のようなマクロな対象がトンネル効果を示す確率は、例えば10のマイナス10の33乗々(つまり10^(-10³³))程度の小ささになったりします。これは現実的には零ですね。 もし生真面目な人が手のトンネル効果を確かめようとしたときに、実際には何が起きるのでしょうか。もちろん自分の手で何回も机を叩いても、よほど(よほど!)運がよくない限り、

    トンネル効果:「机をたたき続けると手がすり抜ける」という説明について|Masahiro Hotta
    akymrk
    akymrk 2024/04/25
    “トンネル効果のために電子が隣の導線に飛び出して漏電を起こし、高熱”
  • 量子力学に「観測問題」は存在しない|Masahiro Hotta

    前世紀には観測問題を論じる人が多かったのですが、標準的な量子力学にはそのような観測問題はなかったことが現在では分かっております。例えば以下のように理解されています。 (1)波動関数の収縮について: 量子力学は情報理論の一種であり、波動関数は古典力学の粒子のような実在ではなく、情報の集まりに過ぎません。測定によって対象系の知識が増えることで、対象系の物理量の確率分布の集まりである波動関数も更新されるのが波動関数の収縮です。 「系を観測をすると、その波動関数(または状態ベクトル)は収縮し、その変化はシュレディンガー方程式に従わない」と聞いて、前世紀の「観測問題」に目覚めてしまって、「波動関数とは?収縮とは?」と懊悩してしまっている物理学徒は、まず箱の中の古典的なサイコロの目の確率を考察してみて下さい。 各目の出る確率は1/6で、一様分布でしたが、箱をとってサイコロを観測して3の目が出ていれば、

    量子力学に「観測問題」は存在しない|Masahiro Hotta
    akymrk
    akymrk 2024/04/14
    “自分以外の人間が本当に意識を持っているのか、それとも単なる機械のAIなのかを区別する方法がない”"実証科学の俎上に載らず""一般的な確率という概念に元々備わっていた、観測で更新されるという性質"
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