ミャンマー国内で「不法移民だ」と厳しい視線を向けられる少数派イスラム教徒ロヒンギャ。大半は国籍を認められていない。一方、国勢調査によると、同国には国籍を持つ200万人超のイスラム教徒がいるとされる。彼らはロヒンギャ問題をどう見るのか。最大都市ヤンゴンでイスラム教組織の代表にきいた。 アルハジ・エーリン氏はミャンマー・イスラミックセンター代表。教師でもあり、宗教と平和の問題に長年取り組んできた。アウンサンスーチー国家顧問の肝いりでコフィ・アナン元国連事務総長をトップとして2016年につくられたロヒンギャ問題諮問会議のメンバーでもある。 エーリン氏は現状について、「ロヒンギャ問題の表層しか見ていない人たちが、一部の集団の政治的な戦略に踊らされている」と主張する。 「軍政が都合良くロヒンギャの存在を利用してきた」。10年の総選挙では、軍政系(当時)の連邦団結発展党(USDP)が議席増のためにロヒ