2015-03-25 なぜ人は、ハゲゆくのか……。ハゲたところで、誰も賞賛してくれない。ハゲたところで、誰も撮影してくれない。ハゲたところで、誰も崇拝してくれない。 僕たちあたしたちは、一体どうして望んでいないハゲの世界へ足を踏み入れてなくてはならないのだろうか。 「夢や希望のストーリーを頭の中で描いたとき、そこにハゲは何人歩いているかね?」 幼いころ、近所のおばちゃんに質問された。 「ハゲってなーに?」 幼い僕は、ハゲの概念がなかった為に、答えに窮してしまった。 「なんじゃ坊主。ハゲも知らぬのか? あれじゃよ、見てご覧なさい」 おばちゃんが指差す方を見やると、悪魔と天使が争った歴史を物語るような、殺伐とした脳天があった。 痩せこけた猛獣の唸り。そう思わずにはいられない細い残り毛が、風に吹かれながら僕を呼んでいる。 急いで行かなきゃ。 そう思ったのも束の間、「よそ様の生きた証を