タトゥー・アーティスト大島托が世界中の「タトゥー」を追い求めた旅の記録。書籍化された『一滴の黒』に続く、現在進行形の新章。 <<南米カヤビに伝わる食人タトゥー③を読む ラペの渦に巻かれて …マラカンエーエマラカンレ タマユレテーエタマイレテ タビルタビルリル タベルリタベルリル… 耳でコピーしたフレーズを口ずさみながら、両隣りの者と手を繋いで反時計回りに渦を巻くような陣形で皆んなに合わせて動き続ける。日本の「カゴメ」みたいな感じだ。斜め前に右足から一歩踏み出し、続けてやはり右足から後ろに一歩退がる。これをひたすらに繰り返しながらゆっくり旋回し続けるのだ。女たちは全員、男は10代ぐらいまでが参加していて、それ以上の年代は周りで座って見守っている。僕らは旅行者なので首長とともに輪に加わっている。渦の中心部では幼児たちが辿々しい足踏みで回っている。全体の音頭をとる歌手の右の足首には木の実の鈴の束