発達障害のある子どもはコミュニケーションや学習面などに困難を抱え、学校生活で苦労することがある。保護者も悩み、疲弊する場合が少なくない。国の調査では小中学生の6%程度に発達障害の可能性があるとされ、大人になってから診断を受け、初めてその状態に気付く人も。近年、複数の著名人が自身について公表するなど理解が進んできたが、これまで表立って語られることが少なかった。発達障害の「リアル」に迫った。 衝動的行動 「3歳の夏、夜中に水遊びをすると言って急に起き出し、制止を振り切って家の外に出てしまったことがあった。衝動的過ぎて驚いた」。群馬県の西毛地域の主婦、田中敦子さん(41)=仮名=は、発達障害のある高校1年生の長女(16)の幼いころを振り返り、苦笑した。