ロシアで最も寒い地域の一つ、ヤクーチア中央部で燃える森林。2020年の山火事はかなり北の方まで燃え広がり、科学者たちを驚かせた。(PHOTOGRAPH BY YEVGENY SOFRONEYEV, TASS/GETTY IMAGES) 北極圏は世界平均と比べ、少なくとも2倍のペースで温暖化している。気温は過去100年間で2~3℃上昇した。なかでも気温上昇の影響を強く受ける場所のひとつが永久凍土層のあるツンドラ地帯だ。このシリーズではすでに永久凍土が解けて村ごと移転する例を紹介したが、今回はより広範な自然環境への影響として、ツンドラでの森林火災がもたらす連鎖的な影響と爆発クレーターの形成について見てみよう。 【動画】シベリアの凍土にできた巨大な穴、止まらぬ拡大 ツンドラで森林火災が相次いだのは2020年6月。気温が低く、水分が多く、凍っているために、本来であれば燃えるはずのない地域で森林火災