・・・また、このフワフワした感じです。飛んでいるわけではなく、空の中にいるような。冷たくない水の中を泳いでいるような。 もしも次の次とか、それのまた次、なんていうものがあるならば・・・。 俺はいつから、籠の中にいたんだろう。 年老いた爺さんが佇む狭い部屋の中にもっと狭い籠の中で、俺は考えていた。 カランコロンと妙な音が響き、物珍しそうに俺を見ては笑って去っていく複雑な匂いをメシで取り払う毎日を過ごしていた。 「ボサボサのポメラニアン」なんて聞きあきた。 今日は何度目のカランコロンだろう。 横目で見てみると、いつか嗅いだような程よく土の匂いのするガキが俺を見つめていた。 他の連中と違ったのは、笑わなかったこと。ただそれだけだが、土の匂いのするこのガキが少し気になった。 と、同時に俺はガキに連れて行かれた。外の匂いと音とヤケドしそうな光に 心から感動した。 それから間もなくして木と土の匂いのす