日本で「植民地主義」は歴史の問題とされがちだが、アフリカ諸国を含む「グローバルサウス」では現在の問題でもある。その火種が現在の国際情勢に煽られて再燃しはじめている。元朝日新聞政治部長の薬師寺克行氏が解説する。 ウクライナ戦争が続くなか、7月末にロシアで「ロシア・アフリカ首脳会議」が開かれた。欧米諸国は、この会議をロシアがウクライナ戦争についてアフリカ諸国の支持を得るためのイベントととらえて注目しなかった。 ウクライナ戦争が長期化し苦境に陥ったロシアは、あの手この手で状況を変えようとしている。この首脳会議もそうした手立ての一つであり、西側が冷めた目で見るのも当然だろう。 4年前の第1回会議に比べると、首脳級が出席したアフリカからの参加国が43から17に激減したこともあって、欧米メディアも目立った報道はしなかった。だがこの会議には、ロシアの思惑とは別に注目すべき点があった。 会議後、ロシア大統