前期に最高益を叩き出した企業の3社に2社は、国内売上高比率90%以上の「内需型企業」だった――。人口減やデフレに苦しむ日本。企業の中には、新興国に進出して成長機会を探るところも多い。だが、国内を主戦場にしながら、しっかりと稼ぐしたたかな企業もたくさんあるのだ。 今回、登場するのは2012年3月期に12年ぶりの経常最高益を達成した永谷園。消費者の内食志向の強まりなどを背景に、6期連続で増益を確保した。お茶漬けなどの定番商品で有名な同社が快走を続けている秘密とは。 (日経ビジネス6月11日号「今こそ日本で稼げ 最高益の3社に2社は“内弁慶”」も併せてお読みください) 永谷園というと、お茶漬けや麻婆春雨といったロングセラー商品のイメージが強い。確かに、こうした定番商品の売上高が安定していることが好業績の一因になっているのは間違いない。過剰包装をやめたり、材料や生産工程を効率化したりするなど、伝統