労働組合の中央組織、連合の芳野友子会長は27日に予定される安倍晋三元首相の国葬に出席する。連合関係者が14日、明らかにした。15日に表明する見通し。 関係者によると、連合幹部らは13日に国葬への出欠席を巡り協議。「欠席すべきだ」などの意見も出たが、最終的に「労働者を代表して弔意を示さないといけない…
「プロデューサーから愛人関係を結べば有名にしてやるけどどうかと迫られた」「7年間ブスと言われ続けた」「一銭も出ないまま2年間仕事をさせられた」――。 俳優やモデル、美術・音楽家、映画製作スタッフら文化芸術分野などで働く人たちを対象に、一般社団法人「日本芸能従事者協会」がインターネット上で実施したアンケートから、業界特有ともいえるハラスメントの実態が浮かび上がった。 アンケートをつぶさにみると、華やかなイメージとは裏腹に深刻な人権侵害が横行していることが分かる。 調査は6月23日~8月31日、各種団体などを通じて呼びかけ、418人から回答を得た。結果については、同協会が今月6日にホームページで公表した。 回答者の内訳は▽俳優やモデル、歌手などパフォーマンスを提供する人46・2%▽美術家やライター、記者、脚本家など映像以外のメディアで働く人30・6%▽映画やテレビなどのスタッフ、アナウンサー、
大阪大発の製薬ベンチャー「アンジェス」(大阪府茨木市)が新型コロナウイルスワクチンの開発を中止したことについて、大阪府の吉村洋文知事は9日、「非常に残念に思う」と記者団に話した。アンジェスのワクチン開発を巡っては、治験を実施する大学の審査委員会が承認する前に、吉村氏が治験の日程や対象者を公表するなど、知事の前のめりな発言が物議を醸していた。 アンジェスは森下竜一・大阪大教授らと共同で、「DNAワクチン」と呼ばれる新しいタイプのワクチンの開発を進めていた。吉村氏は2020年4月、「早ければ7月に治験を始め、9月に実用化。年内に10万~20万人に接種する。これは絵空事ではない」と述べた。当時は新型コロナの「第1波」で初の緊急事態宣言が出されており、発言は注目を浴びた。
大会組織委員会の高橋治之元理事が受託収賄罪で起訴された紳士服大手「AOKIホールディングス(HD)」を巡る事件では、AOKIHD側が高橋元理事らとの会合の録音や面会記録を残しており、東京地検特捜部が立証の柱に据えているとみられる。捜査の過程では、組織委元会長の森喜朗元首相(85)の存在も浮かび、慎重に捜査を進めている模様だ。 関係者によると、元理事とAOKIHDの青木拡憲(ひろのり)前会長(83)=贈賄罪で起訴=は、元理事が経営していた東京都内のステーキ店などで頻繁に会合を開き、青木前会長の部下が同席して会話を録音したり、面会記録を作成したりしていたという。
明治の元勲、山県有朋が83歳で病没したのは1922(大正11)年2月。時に37歳の雑誌「東洋経済新報」記者、石橋湛山(後の首相)は「死もまた社会奉仕」とコラムに書いた。長州閥で陸軍と官界を支配し、政党と民主主義をとことん嫌い、首相指名権さえ握った絶対権力者の死は、「山公」の糸に引かれていた「操り人形」を解き放ち、政治を新陳代謝させる意義があるというのである。だから死んだ翌日、政友会が陸軍縮小案を議会に提出し、早くも人形が踊り出したではないかと説く。 山県の国葬予算に議員2人が反対したのも変化の表れだった。湛山は「山県が政治的罪人だから」との理由には反対する。だが、親の葬式さえ出せない貧民が多いのに、彼らも納めた間接税で山県の葬式を行うのかという批判には賛成する。反対演説中、衆院議長は「他人の身上を論議するな」と制した。湛山は問う。国葬にすることがすでに山県への評価である以上、議長の整理は自
日本外国特派員協会での記者会見に臨む世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の田中富広会長(左)=東京都千代田区で2022年8月10日午後3時1分、猪飼健史撮影 安倍晋三元首相の銃撃事件を契機に、宗教団体・世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と政治家に関するニュースが相次いでいる。「信教の自由」や「政教分離」といった憲法の観点からどのような問題があるのだろうか。憲法学が専門である九州大の南野森(みなみの・しげる)教授に尋ねると、「難しい憲法上の問題と捉えるべきではないんです」と予想外の答えが返ってきた。【聞き手・佐野格】 ――旧統一教会と政治家に関する問題をどう捉えていますか。 ◆旧統一教会の問題は1980年代から取り沙汰されていて、私が大学に入った89(平成元)年は旧統一教会が盛んに活動していた頃でした。知り合いでしつこく勧誘された人や、入会してしまった人もいて、そういう個人的な経験もあったこと
将棋の公式戦で7月、史上初の「入玉宣言法」で決着した対局があった。勝ちを確信した側が「勝利宣言」するもので、2013年10月の導入以来、史上初の適用とあって大きな話題となった。耳慣れないこの手法、いつからどういう目的で考案されたのか。関係者に取材し、当日の様子を改めて振り返った。【丸山進】 アマ大会の円滑運営のため 将棋は互いの玉(王)を取るゲームだが、双方が敵陣に入る「相入玉」になると玉を詰ます(玉を取って勝負を決める)ことが難しくなり、双方が持っている駒の点数で勝負が決まる。プロの公式戦の場合、持ち駒の合計点数(飛・角は5点、その他は1点)が双方とも24点以上あり、両者の合意が成立すれば持将棋(引き分け)。一方が24点未満の場合は、点数の足りない方が投了するまで続く。 勝又清和七段によると、アマチュア大会の場合、一局が延々と続くと進行の支障になるため、日本将棋連盟理事だった堀口弘治七段
安倍晋三元首相は、北朝鮮による拉致が人権侵害であると同時に国家主権の侵害であることについて、他の政治家よりも突き詰めて考えておられた。 1977年に横田めぐみさんが拉致された。88年には参院予算委員会で3件6人の失踪事件について当時の梶山静六国家公安委員長が、「北朝鮮による拉致の疑いが十分濃厚」と答弁しているのに、そこから闘いが始まらなかったのは本当におかしなことだ。 同時に安倍氏は、拉致によって家族が引き裂かれたことに、人間としても許せないという気持ちを強く持っていた。2006年4月に横田早紀江さんら拉致被害者家族が訪米してブッシュ大統領(当時)と面会した際には、直前まで本当に面会できるかわからなかった。当時、官房長官だった安倍氏は、ホワイトハウスに「横田早紀江さんは母ということがどういう存在なのかということを強烈に日本人に思い起こさせてくれた方だ」と伝えたと言っていた。 拉致された被害
阿波踊りの総踊りで踊る人たち。閉幕後に新型コロナウイルスの感染が急拡大している(記事とは直接関係ありません)=徳島市で2022年8月12日午後9時52分、久保玲撮影 徳島県は24日、新型コロナウイルスに3182人が新たに感染したと発表した。初の3000人台で、21日以来3日ぶりに過去最多となった。徳島市であった阿波踊り(12~15日)の閉幕後、県内では24日を含め過去最多を4回更新し、1400人台だった開催前の過去最多から倍増した。 オミクロン株の派生型「BA・5」により感染が急拡大した第7波は、徳島県内で全国的な感染より遅れたとされるが、23日に公表された県のオミクロン株ゲノム解析では、阿波踊り前の2~8日抽出分で「BA・5」系統に100%置…
初閣議後、記念撮影に臨む岸田文雄首相(前列中央)と閣僚たち=首相公邸で2022年8月10日午後7時41分、尾籠章裕撮影 毎日新聞と社会調査研究センターは20、21の両日、全国世論調査を実施した。岸田内閣の支持率は36%で、7月16、17日の前回調査の52%から16ポイント下落した。昨年10月の内閣発足以降で最低となった。不支持率は54%で前回(37%)より17ポイント増加した。 岸田文雄首相は8月10日に内閣改造と自民党役員人事を実施した。内閣改造後の調査で、支持率が改造前より低下するのは異例。今回の内閣改造と自民党役員人事については「評価しない」との回答が68%に上り、「評価する」は19%にとどまった。「関心がない」は13%だった。 自民党と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関係に問題があったと思うかとの問いでは、「極めて問題があったと思う」が64%、「ある程度問題があったと思う」が2
記者会見で献体のずさんな管理を謝罪する島根大の服部泰直学長(左から3人目)や鬼形和道・医学部長(同2人目)ら=島根県出雲市で2022年7月19日午前10時3分、目野創撮影 「大切な家族を物のように扱われた」。島根大医学部(島根県出雲市)で、献体をずさん管理していた実態が明らかとなった。2017~21年度に提供を受けた50体について、必要な防腐処置を怠ったため、一部は本来の目的だった実習での全身解剖ができなくなった。提供者の厚意と尊厳をないがしろにするような扱いに、遺族の怒りは収まらない。 問題は、大学が22年4月に公表した。発覚のきっかけは3月10日、解剖学講座の教授と教員の計2人が実習室で準備をしていた時だった。台の上で白い布をかぶせられた献体が着衣のままだったため、不審に思って確認したところ、防腐処置が施されていないことが分かった。他の部屋を見て回ると、保存室や冷蔵室からも未処置の献体
第2次岸田改造内閣で、過去にLGBTなど性的少数者を巡る差別的な発言などが問題となってきた杉田水脈(すぎた・みお)氏(55)が総務政務官に起用されたことに、ネットなどで抗議の声が上がっている。杉田氏は15日の就任記者会見で「過去に多様性を否定したことも、性的マイノリティーを差別したこともない」と述べたが、実際はどうなのか。過去の発言を振り返った。【中嶋真希、大野友嘉子】
旧統一教会の関連施設を訪問したことについて記者団の質問に答える自民党の萩生田光一政調会長=東京都千代田区の同党本部で2022年8月18日午後3時5分、竹内幹撮影 自民党の萩生田光一政調会長は18日、党本部で記者団の取材に応じ、6月に生稲晃子参院議員と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連施設を訪問したことを認めた。旧統一教会の関連団体「世界平和女性連合」の会員と付き合いがあり、地元の東京都八王子市の施設には会員が集まっていると認識したうえで訪れたと明らかにした。一問一答は次の通り。 バーベキュー参加「事実は全くない」 ――6月に東京都八王子市内にある旧統一教会系の施設を訪れたと生稲氏は説明している。八王子には施設が2カ所あるが、行った施設は八王子家庭教会か。行く前に旧統一教会系の施設だという認識はあったか。 ◆えっと、まず冒頭ですね、私自身、この団体との付き合いのあり方について説明したい
立憲民主党の岡田克也元外相は10日、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と関係が深いとされる世界日報のインタビュー取材を3回受けていたと発表した。当時、世界日報と旧統一教会の関係は知らなかったといい「私の政策を広く知ってもらう良い機会だと判断して応じた。関係をよく調べるべきだったと反省している」と説…
長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典であいさつする岸田文雄首相=長崎市の平和公園で2022年8月9日午前11時28分、平川義之撮影 長崎市の平和祈念式典で岸田文雄首相が述べたあいさつは、6日に広島市であった平和記念式典でのあいさつと大部分が同じだった。長崎市と広島市の式典で述べる首相あいさつがほぼ同じであることは安倍晋三元首相の頃から指摘され始め、被爆地・広島選出の岸田首相の対応が注目されたが今年もほぼ同じ「コピペ」だった。 あいさつは「広島」と「長崎」を入れ替え…
東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の看板を外す橋本聖子会長(右)と武藤敏郎事務総長(肩書はいずれも当時)=東京都庁で2022年6月30日午前11時26分(代表撮影) ある調査によれば、日本はこの70年間で、実に85%もの年月をオリンピック・パラリンピックの招致、開催に費やしてきたという。「オリンピック依存症」とも言える状態だ。約1年前に東京大会が終わったと思ったら、今度は札幌市による2030年冬季大会の招致活動が本格化している。今、この国に五輪開催は本当に必要なのか。調査で「85%」を導き出した坂上康博・一橋大名誉教授(スポーツ社会学)に聞いた。【福島祥】 戦後、招致と準備に明け暮れる各都市 日本が戦後初めて招致に乗り出したのは1952年だ。60年大会の東京開催を目指したが、ローマが選ばれた。 坂上さんは、この52年を起点に東京大会が閉幕した21年9月に至る69年4カ月を対象として
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