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ブックマーク / blog.tatsuru.com (8)

  • 統一教会、安倍国葬について他 - 内田樹の研究室

    あるネットメディアからインタビューを受けた。もう公開されているので、少し長い別ヴァージョンをあげておく。 ―これから安倍系右翼はどうなると思いますか? 内田 おっしゃっている「安倍系右翼」という言葉の定義を僕は知らないのですけれど、言いたいことは何となくわかります。それが「安倍晋三という個人の求心力やカリスマ性に依存して存在感を発揮していた政治勢力」という意味でなら、その人たちはこの事件をきっかけに力を失い、弱体化すると思います。 実際に安倍元首相の死後、彼の庇護下でこれまで「いい思い」をしてきたネット論客たちはいまほぼ沈黙状態にあります。どういうスタンスでこの事件に向き合って良いのかについての組織的な合意形成ができていないのでしょう。もともと安倍晋三個人が手作りしたネットワークですから、ハブが不在になると、合意形成のための場も、ルールもない。代わりを務めることのできる人がいない。ですから

  • 電通は日本のメディアを支配しているのか? - 内田樹の研究室

    「電通は日のメディアを支配しているのか?」と題するフランスのネット記事を翻訳しておく。 記者はMathieu GAULÈNE。配信は5月13日。 プリントアウトしたらA48枚に及ぶ長い記事だった。手の空いているときにちょっとずつ訳したら、7000字になった。 電通は日のメディアを支配しているのか? Mathieu GAULÈNE • Publié le 13.05.2016 http://www.inaglobal.fr/television/article/le-publicitaire-dentsu-tire-t-il-les-ficelles-des-medias-japonais-9000 電通は世界第五位のコミュニケーショングループで、日の広告市場の過半を握っている。日のメディアの自由に、とりわけ原子力産業について語る場合のメディアの自由に、強い影響力を行使している。 参

  • セックスワークについて - 内田樹の研究室

    寺子屋ゼミで「セックスワーク」についてゼミ生から質問を受けた。 「話すと長い話になるから」ということでその場はご容赦願ったのであるが、橋下発言をめぐって「セックスワーク」についての原理的な確認をしておきたいと思って、筐底から旧稿を引き出してきた。 2003年に『岩波応用倫理学講義』(金井淑子編、岩波書店)に書いたものである。 そこでは社会学者たちの「売春擁護論」に疑問を呈した。 同じ疑問を私は今回の橋下発言をめぐる賛否のコメントについても感じている。 セックスワーク-「セックスというお仕事」と自己決定権 はじめに 最初に正直に申し上げるが、私自身は、セックスワークについて専門的に考究したこともないし、ぜひとも具申したいような個人的意見があるわけでもない。ときどき、それに関する文章を読むが、数頁(場合によっては数行)読んだだけで気持ちが沈んできて、を閉じてしまう。 困ったものではあるが、私

  • 暴言と知性について - 内田樹の研究室

    復興相が知事たちに対する「暴言」で、就任後わずかで大臣を辞任することになった。 この発言をめぐる報道やネット上の発言を徴して、すこし思うことがあるので、それについて書きたいと思う。 松大臣が知事に対して言ったことは、そのコンテンツだけをみるなら、ご人も言い募っていたように「問題はなかった」もののように思われる。 Youtube で見ると、彼は復興事業は地方自治体の自助努力が必要であり、それを怠ってはならないということを述べ、しかるのちに「来客を迎えるときの一般的儀礼」について述べた。 仮に日語を解さない人々がテロップに訳文だけ出た画面を見たら、「どうして、この発言で、大臣が辞任しなければならないのか、よくわからない」という印象を抱いたであろう。 傲慢さが尋常でなかったから、その点には気づいたかもしれないが、「態度が大きい」ということは別に政治家が公務を辞職しなければならないような

  • 脱原発の理路 - 内田樹の研究室

    平田オリザ内閣官房参与は17日、ソウル市での講演で、福島第一原発で汚染水を海洋に放出したことについて、「米国からの強い要請があった」と発言したのち、翌日になって「不用意な発言で、たいへん申し訳なく思っている」と発言を撤回して、陳謝した。 発言について平田参与は「この問題には全くかかわっておらず、事実関係を確認できる立場でもない」として、事実誤認であることを強調した。 内閣官房参与、特別顧問の「失言」が続いている。 平田参与の前に、3月16日には笹森清内閣特別顧問が、菅首相との会談後に「最悪の事態になった時には東日がつぶれることも想定しなければならない」という首相の発言を記者団に紹介した。 4月13日には松健一内閣官房参与が「原発周辺には10~20年住めない」という首相発言を紹介したのち、撤回した。 震災直後に内閣官房参与に任命された小佐古敏荘東大大学院教授は、政府の原発事故対応を「場当

  • 浜岡原発停止について - 内田樹の研究室

    MBSの「辺境ラジオ」も今回で4回目。 不定期収録、収録時間毎回違う、放送時間毎回違うという、いかにもラジオ的にカジュアルな番組である。 精神科医名越康文先生、MBSの西靖アナウンサーと僕の三人のthree-man talk をガラス窓の向こうから伊佐治プロデューサーが顔を赤くしたり青くしたりしながら見ているという四人組ベース。 今回は「震災」テーマでのトークである。 菅首相が浜岡原発の停止を要請したが、それについての評価から話が始まった。 名越先生も私も、これは官僚や電力会社への根回しが十分にされた上での結論ではなく、総理のトップダウンでの「私案」に近いのではないかという意見だった。 浜岡原発の運転の可否についての議論はもちろん専門的な機関で行っているのだろうが、結論はわかっている。 「安全性に問題はない」である。 でも、東海大地震が起きて、放射性物質が漏出するような事態になったら、政府

    dddeee
    dddeee 2011/05/11
  • リスクヘッジについて - 内田樹の研究室

    「疎開」について書いたのはもう2週間以上前のことだ。 そのときにいずれ政府や地方自治体が主導するかたちで組織的な疎開が進むだろうと書いた。 でも、そうなっていない。 枝野官房長官は18日の段階で記者会見でこう語っている。 「集団疎開の問題が県知事レベルで出てきている。疎開という言い方が正しいのかはわからないが、妊婦や高齢者など災害弱者とも言うべき人たちがいて、その人たちが当面の生活をおくるために、全国各地の人に協力してもらうということは具体的に考え始めているところ。」 この段階としては適切な発言だったと私は思うが、このあと、集団的な疎開についての積極的な提言があったことを知らない。 同じ頃、私のところへ「疎開論を撤回せよ」という声が集中的に寄せられた。 理由は「首都圏からの疎開」が大規模に実施されると、ただでさえ低迷している消費活動が鈍化し、日経済に悪い影響を与えるからだという。 なるほ

    dddeee
    dddeee 2011/04/04
  • 『七人の侍』の組織論 - 内田樹の研究室

    どういうタイプの共同体が歴史の風雪に耐えて生き延びることができるか。 これはなかなか興味深い問いである。 前に、住宅についてのシンポジウムの席で、「コレクティブ・ハウス」を実践している人から質問があった。 その人は20世帯くらいで住まいをシェアしている。子どものいる若い夫婦同士はお互いに育児を支援し合って、とても助かるのだが、高齢者の夫婦などはいずれこちらが介護せねばならず、若い人たちは「他人に介護してもらうためにコレクティブハウスに参加したのではないか・・・」という猜疑のまなざしで老人たちを見つめている、という話をうかがった。 どうすればこの共同体を継続できるのでしょうというお訊ねだったので、「残念ながら、そういう共同体は継続できません」とお答えした。 あらゆる共同体では「オーバーアチーブする人」と「アンダーアチーブする人」がいる。 必ずいる。 全員が標準的なアチーブメントをする集団など

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