今年6月と8月、木材業界で相次いで発生した大型倒産が波紋を呼んでいる。コロナ禍の収束とともに木材価格は落ち着きを取り戻しつつあるなか、なぜ今、このような事態となったのか。(東京商工リサーチ情報部 増田和史) 【この記事の画像を見る】 ● 今夏に木材業界で発生した 2件の大型倒産が波紋 今年6月と8月、木材業界で発生した大型倒産が波紋を呼んでいる。新潟県に本社を置く(株)イタヤ(南蒲原郡田上町、負債35億8500万円)、長野県の征矢野(そやの)建材(株)(松本市、負債65億2000万円)の2社が相次いで民事再生法の適用を申請した。 過去10年の木材業界(販売・製造)では、征矢野建材が最大規模、イタヤは4番目の大型倒産となる。消費者にはなじみが薄いが、2社とも製材、プレカット工場を持つ地場大手として業界では知られた企業だった。ハウスメーカーなどに営業地盤を築き、地域の木材・建材市場での存在感は