大阪府立高校の世界史教諭、西本武史さん(34)が長時間労働で適応障害を発症したとして、学校を運営する大阪府に慰謝料など約230万円の損害賠償を求めた訴訟で、大阪地裁は28日、適切な勤務管理を怠った結果、適応障害を発症したことを認め、府に請求通り全額の支払いを命じた。西本さんは発症前に業務量の改善を何度も訴えており、横田典子裁判長は当時の校長の対応について「抜本的な負担軽減策を取らなかった」と批判した。 公立学校の現役教諭が実名を公表して自治体を訴えるのは極めて異例。
キリスト教用の教誨(きょうかい)室の祭壇には十字架やろうそく、聖書などが並ぶ=東京都葛飾区の東京拘置所で2012年10月4日、須賀川理撮影 昨年12月、日本で2年ぶりに死刑が執行された。死刑廃止が世界の流れとなる中、国際社会からは批判も強い。神戸連続児童殺傷事件(1997年)の弁護団長を務めた野口善國弁護士(兵庫県弁護士会)はかつて、刑務官として執行に立ち会った。情報公開レベルの低い日本の死刑状況にあって、野口さんの証言は貴重だ。【小倉孝保】 野口さんは70年、東京大学を卒業して東京拘置所の刑務官となった。翌年暮れ、執行を告げられたばかりの死刑囚を受け持った。 当時、執行は前日の朝、拘置所長から本人に告知されていた。それが終わるとすぐ、死刑囚を特別な部屋に移動(転房)させ、常時警備担当者が監視する。転房先は4階の一室。普段はその階全体が使われていなかった。 拘置所が執行決定を家族に連絡する
涙ながらに暴行被害を訴えるベトナム人技能実習生の男性(中央)=岡山市内で2022年1月17日午前10時20分、松室花実撮影 岡山市内の建設会社で働いていたベトナム人技能実習生の男性(41)が、複数の日本人従業員から繰り返し暴行を受け、あばら骨を折るなどの重傷を負っていたことがわかった。男性は17日、岡山市内で記者会見し、「家族や他の実習生に迷惑をかけたくなくて、我慢してきた。外国人にもっと思いやりの気持ちがほしかった」と述べ、会社などに対して謝罪と慰謝料を求めている。 男性を保護する労働組合「福山ユニオンたんぽぽ」(広島県福山市)によると、男性はベトナムに妻と娘(5)を残し、2019年10月に来日。岡山市の監理団体の仲介で、11月にとび職の技能実習生として市内の建設会社に就職した。翌12月ごろから、複数の日本人従業員に殴ったり蹴ったりされるようになり、20年5月には足場の解体作業中、90セ
愛知県の大村秀章知事のリコール(解職請求)運動を巡る署名偽造事件で、地方自治法違反(署名偽造)の罪に問われた署名活動団体「愛知100万人リコールの会」事務局長、田中孝博(60)と、次男で塗装工、雅人(29)両被告の初公判が24日、名古屋地裁(板津正道裁判長)であった。 田中被告らの初公判を受け、リコールの会…
山梨県庁の知事室で報道陣の取材に応じる長崎幸太郎知事=甲府市で2021年8月16日午後9時25分、梅田啓祐撮影 新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、政府が山梨県を含む10県を新たにまん延防止等重点措置の対象とする方針を固めたことについて、山梨県の長崎幸太郎知事は16日夜、「ニュースを見た方から電話をいただいて初めて知ってびっくりした」と述べ、政府との事前の調整がなかったことを明らかにした。対策を講じた飲食店などを独自に認証する「山梨モデル」を掲げ、感染拡大防止と経済の両立を図ってきた県は、県民に対し外出自粛などを要請する一方、まん延防止措置の適用申請はしておらず「寝耳に水」の方針決定となった。【梅田啓祐】
毎日新聞の22日の世論調査で、内閣支持率が菅政権発足後最低となる31%に低下したことで、政府・与党に危機感が広がった。新型コロナウイルス対策で効果が出ていないことが原因との見方が強い。秋までに行われる衆院選への影響を懸念している。 自民党の野田聖子幹事長代行は22日、支持率急落について取材に「変異株への恐怖が、ワクチン接種などの対策より勝っているのだと痛感した」と述べた。別の党幹部は「20%台が見えてきたのは、ちょっとまずい」と動揺を隠さず、官邸関係者は「政権としては、ここが踏ん張りどころだ」と強調した。 調査では、菅政権の新型コロナ対策を「評価しない」との回答が7割近くあり、公明党の山口那津男代表も…
政府は6日、東京や大阪など4都府県に発令中の緊急事態宣言を延長する方針を決めた。酒類を提供する飲食店や大型商業施設などに休業を要請するなどの厳しい措置を、大型連休(GW)中の「短期集中」で講じたが、狙ったほどの大きな感染抑止効果を得られなかったためだ。対策が不発のまま、ずるずると宣言延長を余儀なくされた菅政権に「対応が中途半端」「説明不足」との批判が強まりそうだ。 「変異株は従来株の1・3倍の感染力だ。以前のように感染者数は(緊急事態宣言の期間内に)減らないかもしれない」。田村憲久厚生労働相は延長方針の決定に先立つ6日のTBS番組で、宣言延長やむなしという考えをにじませた。厚労省幹部は「宣言の効果はあったが、感染者数を大きく落とすところまではいかなかった、ということだ」と解説する。 3回目となる今回の宣言は4月25日、17日間の予定で発令。1月の宣言で感染防止対策の柱とした「飲食店対策」に
国際オリンピック委員会(IOC)は、東京オリンピック・パラリンピックに参加する各国・地域の選手団へ米製薬大手ファイザー社製の新型コロナウイルスのワクチンを提供すると6日に発表したが、政府によると、接種対象は選手や指導者らを想定している。大会を支えるボランティアらにもワクチンが行き渡るかは不明だ。唐突にIOCが示した新たな「カード」に、大会関係者や学識者からは疑問の声が上がる。 選手らへのワクチン提供について、大会組織委員会関係者は驚きを隠せなかった。「選手だけ? ボランティアにも接種しなければ安心安全な大会は実現できない」 約8万人を想定するボランティアは選手村や競技会場で海外の選手らと接する機会が多く、感染防止対策を徹底しなければクラスター(感染者集団)が…
菅義偉首相が、東京など4都府県に発令した新型コロナウイルスの緊急事態宣言を期限の5月11日に解除できるかに神経をとがらせている。延長すれば経済への打撃が広がるばかりか、東京オリンピック・パラリンピック開催に黄信号がともる懸念があるためだ。首相は宣言が五輪開催に与える影響を否定するなど、切り離しに腐心している。 控えるバッハ会長来日 首相は28日、報道各社に対して文書を出した。東京五輪について「IOC(国際オリンピック委員会)は7月から開催することを既に決定しており、各国のオリンピック委員会とも確認している」と説明。「国としても東京都、組織委員会、IOCと感染症対策を含めて協議を重ねている。安全・安心な大会を実現していきたい」として、予定通り開幕させる姿勢を崩さなかった。3度目の宣言発令を決定後の23日の記者会見で質問できなかった報道機関からの質問に答えた。 首相は23日の会見でも、海外から
田村琢実県議が受け取った文書には「意見書が採択されることのないよう、格別のご高配を賜りたく、お願い申し上げます」と記されていた=大野友嘉子撮影 自民党内で、希望すれば夫婦で別々の姓を名乗ることができる「選択的夫婦別姓制度」を巡る動きが活発だ。賛成派と慎重派がそれぞれ議員連盟を発足させたほか、党も作業チームで議論を再開させた。賛否二分する自民党内の情勢を反映してか、双方の攻防が地方議員を巻き込んだ。例えば、高市早苗前総務相からある文書を送りつけられた埼玉県の田村琢実県議と、自民党を除名された石川県野々市市の梅野智恵子市議。両議員に経緯や現在の心境を聞いた。【大野友嘉子/デジタル報道センター】 自宅に届いた丸川氏ら連名の意見書 <昨年来、一部の地方議会で、立憲民主党や共産党の議員の働き掛けにより「選択的夫婦別氏制度の実現を求める意見書」の採択が検討されている旨、仄聞(そくぶん)しております。先
東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出決定を受け、復興庁が発表したチラシの一部=復興庁ホームページより 東京電力福島第1原発事故からの復興を目的とした風評払拭(ふっしょく)のため、復興庁は2018~20年度に復興予算から計10億1600万円を投じて、電通に「放射線等に関する情報発信事業」を発注していた。 事業の中心は同庁のホームページに設けられたポータルサイト「タブレット先生の福島の今」の製作で、福島の魅力発信や風評対策のためにゲームや動画、漫画などのコンテンツを配信している。 同庁によると、この事業では企画競争入札が実施され、18年度に電通が3億3000万円で落札した。19、20年度も複数社から提案があったが、「実行力と調整能力を見込んだ」(担当者)結果、電通に決まったという。
「ヤングケアラーなんて横文字を使わず『若年介護者』でいい」「軽い感じになって、深刻さが伝わらない」。通学や仕事をしながら家族の介護・世話などをしている子ども「ヤングケアラー」の報道に対して、ネット交流サービス(SNS)上でこんな疑問や苦言をよく目にします。確かに和訳した方が分かりやすく親切なようですが、政府が行う全国調査や埼玉県が制定した全国初の条例、研究者の調査などでは「ヤングケアラー」という英語表記が使われ続けています。なぜでしょうか?【ヤングケアラー取材班】 ケア=介護だけ? 大阪府の北川幸(さち)さん(仮名)は、小中学生時代に統合失調症の母親と暮らした元ヤングケアラーです。中学1年の頃、深夜の繁華街を目的地もないまま母親に連れ回され、帰宅は午前0時過ぎという生活でした。会話のおぼつかない母親に代わってスーパーの店員とやりとりをし、食事を作ってもらえない日はインスタント食品などで空腹
入所者19人が殺害された事件から4年を迎えた津久井やまゆり園に設けられた献花台に花を供える人=相模原市緑区で2020年7月、滝川大貴撮影 2016年7月に入所者19人が殺害される事件があった相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で東京パラリンピックの聖火を採火することについて、事件の遺族や被害者家族が中止を求める意向であることが判明した。13日に神奈川県と同市に要請する。遺族らは「まだ心の傷が癒えていない。フェスティバルの一環としての採火に違和感を持つ」などと説明している。 東京オリンピック閉会後にスタートするパラリンピックの聖火リレーは8月12日から各地で順次採火されたものと、パラリンピック発祥の地とされる英国のストーク・マンデビルで採火されたものを東京に集め、同24日に開会式が行われる国立競技場に届けられる。
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