人々に忘れられた虐殺がある。関東大震災直後に千葉県検見川町(現・千葉市花見川区)で、暴徒化した自警団に「不逞(ふてい)鮮人」と決めつけられ、沖縄をはじめとする3人の地方出身者が殺害された「検見川事件」だ。背景には、在日朝鮮人への蔑視にとどまらず、異質な存在それ自体に対する差別感情が見え隠れする。震災から間もなく100年。依然としてデマを妄信し、排他意識を振りかざす現代の日本人に与える教訓は大きい。(西田直晃)
最高裁の女性判事が初めて誕生した1994年以降、女性が0~1人の時代が続きました。私が最高裁に入った2008年も、女性は私1人でした。数年後には増え、女性3人の時代が約4年ありました。最高裁の事件のほとんどは小法廷で完結します。3つある各小法廷に女性が1人ずつ入り、意見を出せる形になっていたので、そのまま女性が少しずつ増えることを期待していましたが、今は2人で私の在任中より減ってしまいました。 一つには、選任手続きの複雑さがあります。形式的には内閣が任命権を持っていますが、慣行として裁判官、弁護士、検察官、行政官、学識経験者と出身ごとの枠が決まっていて、事実上、各出身母体が選んで内閣に推薦します。各母体の事情もありますし、判事の入れ替えがない年もあるなど推薦時期のばらつきもあります。行政官と学者の枠は出身母体がないので、内閣に100%任命権があることになりますが、他は内閣だけで女性を任命す
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