異端の建築家、安藤忠雄。大阪の下町に育ち、17歳でプロボクサーとして活動したのち、独学で建築の道へ。大阪を拠点に世界で活躍する。「学歴も社会基盤も、特別な才能もない。困難ばかり。ひたすら全力で生きるしかなかった」。今年、79歳。がんで5つの臓器を摘出するも、いまだ現役だ。一心不乱に生きること、不屈の精神を語る。(取材・文:塚原沙耶/撮影:殿村誠士/Yahoo!ニュース 特集編集部)
展示の全体を隈なくチェックし、矢継ぎ早に模型の並びを確認したり、キャプションの不備を見つけたり。何かを指摘するたび、スタッフが素早くメモを取る。発した言葉の一言一句を逃さぬ態勢が、手厚くできている。 室内をひと通り眺めわたすと、足早に屋外のテラス会場へと向かった。展示の目玉にして最大の懸案でもある巨大な建築が、そこに聳え立っていた。 代表作のひとつ「光の教会」である。とはいっても本物ではない。実物は当然ながら、大阪に今も建っている。こちらは1分の1スケールの模型である。いや、同じコンクリート素材を用いて寸分違わず造られたものだから、もはや模型とは呼べないだろう。もうひとつの本物、と言っていい。 「建築はまずもって体験しなければ、何もわかりませんからね。そこで思い切って実物大のモデルを建てることにしました。途中、もう無理かな、間に合わないかなとも思いましたが、なんとかなりました。ここまでする
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