施工不良があった地上7階建ての複合施設「B-1棟」では、鉄骨柱を1階の基礎コンクリートと固定するためのアンカーボルトを65mmずれた位置に設置していた。 施工者の横手建設・半田工務店・伊藤建設工業JVはミスに気付いたものの、是正せずに隠蔽を図った。1階から3階まで長さが10.5mある鉄骨柱1本を0.275度傾けてずれを吸収。柱の傾きに合わせて2階の梁の端部を切断したり、柱と梁を接合するボルトの穴を新たに開けたりした。 横手建設が施工ミスの隠蔽について発表したのは23年7月7日だ。これを受けて設計者のアーレックスJVは、7月11日からビルの安全性などの調査を始めた。調査の結果、傾きに合わせて調整した柱と梁の接合部4カ所の強度不足が判明。同JVは8月9日、「接合部の金属板やボルトの交換など補強工事が必要」との見解を示した。 一方、42本の柱のうち1本が傾いていることの影響は小さいと見積もった。