日本学術会議問題について - 内田樹の研究室

神奈川新聞のインタビューで日本学術会議問題についてコメントをしたものを再録。 日本学術会議の新会員任命拒否に対して、多くの学会が次々と抗議の声を上げ、政府と学術団体の対立は収束する気配がありません。 菅政権はなぜ発足早々にこのような政治的緊急性のない事案に手を出したのか。なぜ学術団体からの激しい反発を予測できなかったのか。単に「政治センスが悪い」というのも一つの解ですが、それよりは主観的には合理的な行動のつもりだったと考えたほうが引き出せる知見は多いと思います。 菅政権が最優先する政治課題は「統治コストの最少化」です。どうやって統治コストを最少化するか。前政権の官房長官として首相が学んだのは、反対派の異論をすべて黙殺して、国民の間に政治に対する諦めと無力感を蔓延させるという手でした。 安全保障関連法案でも、特定秘密保護法案でも、国民の過半数が「採決を急ぐべきではない」と意思表示する中、前政

[BUNTEN]

政府の組織論をデフレマインドが侵食するとどうなるかという話。今起きていることは、再起のための撤退戦ではなく、自滅のための「玉砕」戦法なのだろう。

[secseek]

確かに政治に限らず、コストの最小化は病として蔓延していますね。なにもしなければコストはかからないってところまで延々と後退し続けている感があります

[Nyoho]

「前政権の官房長官として首相が学んだのは、反対派の異論をすべて黙殺して、国民の間に政治に対する諦めと無力感を蔓延させるという手でした」「「管理コスト削減原理主義」という病に罹患」