校閲は何をしているのか

先日ホットエントリに入っていたブログエントリ、Colorful Pieces of Game『書籍「ゲームの歴史」について(5)』にて、 「校正・校閲はいったい何をしていたのか」 との言及があった（現在は修正済）ので、校閲業界では若輩者の私ですが、書籍の制作において「校閲は何をしているのか」を少しばかり紹介しておこうと思い立ちました。 まず前提としてご理解頂きたいのは、一冊の本が世に出るまでには様々な工程を経るわけですが、その中で校閲が関わるのは「かなり後のほう」という点です。 書籍の制作において最も時間を要するのは「筆者が原稿を完成させるまで」、次いで「社内の了承を得て刊行が決まるまで」のプロセスだと思われますが、校閲の出番は更にその後です。通常、校閲にゲラが回ってくる段階では既に発売日・刊行部数etc.が決定しており、余程の（筆者都合の）問題でも起きない限り(*1)動きません。つまり、

[slimebeth]

例の件で校閲校閲言ってる人らは論文の査読のようなものを求めてて、校閲者が特定業界の事情にそんなに詳しいわけないだろと思ったがやっぱりそうだよね

[gomisute44]

元の指摘ブログもそうだが、本を書いた人のことは「筆者」と書かずに「著者」って書いて欲しい。前者は一人称で使われることが多々あるので読んでて紛らわしい（この事についての校閲としての見解聞きたい）

[mazmot]

私がやってた時代&界隈の話だと、校閲にまわす前に編集者が著者にツッコミを入れてるし、校正者（校閲者と別の立ち位置）もツッコミ入れてるんで、こんな話にはならんかった。https://mazmot.hatenablog.com/entry/2023/03/03/101810

[vlxst1224]

さすが文字に向き合ってきたプロ。文章がとても読みやすい / ゲームで言う処のデバッガー的ポジションなのでバグ報告こそすれど内容につべこべ言うことはしないと。FF3のラスダンセーブポイント事件という例外はあるが

[behuckleberry02]

以前関わった仕事で講談社文庫のゲラを読んだ事がある。16世紀の当日のお天気、屋敷の位置、1960年代のエレキギターの仕様まで指摘されていて校閲すげえと思った。「校閲をどう使うか」は編集者、著者の仕事ですわね。

[kz78]

"「企画に無理がある」「内容がおかしい」といった理由で刊行を延期ないし撤回させる権限は、そもそも校閲には無いわけです"

[WildWideWeb]

プロセスの最終過程を担当する部門には権限も晴れの舞台なんかもないのにスケジュールをキツくした上流チームが「後はヨロ」みたいな緩い感じで渡してきて、テスト部隊がバグ見つけると不満そうな顔する、あの感じ？

[tambo]

とりあえず石原さとみが語っていると思って読みます/河野悦子さんは相当型破りな校閲者なんだなということは良くわかった。

[kamezo]

書籍界隈でも「校閲・校正からの疑問出し（鉛筆での書き込み）は著者にも回さず消すだけ」と豪語する編集者も存在する。校正には出すけど「疑問出しは不要」とする例とかね。つまり最終責任は著者と出版社にある。

[tendon_katsudon]

校閲ガールで内容について意見したら激怒された話があったな

[tick2tack]

ネットなんかですごい校閲の話とかが出回るせいで、そういうのを当然のように求める人が増えてしまうとかってないのかな

[kentathecat]

そもそも大手出版社以外は専任の校閲なんていないとこ多いよ。あと赤入れしてもそれを活かすかどうかは編集者の判断。校閲に夢見過ぎ。

[meganeya3]

"そもそも筆者は誰よりもその分野に詳しいから本を書いているのであって" それは極一部の技術書界隈であって、PC関連の一般向け著者とか説明は上手いが知識はさほどでもないのはふつう。

[gnt]

「お仕事」でのぞむならそうね

[shoh8]

校閲の段で論旨がおかしいから企画からやり直せなんて言えるわけないよな。そりゃそう

[soyokazeZZ]

自分の中では、監修（専門家による内容のチェック）＞校閲（内容のチェック）＞校正（誤字脱字、表記チェック）で、前段ほど事前に見てもらい時間もお金もかかる。この増田の内容だと校正かな。

[bigburn]

校閲校閲言ってた人はそんなにいたっけ？参考文献を書いているのに本文が食い違うのは「担当編集者」がチェックしていて当然だと思うけど違うのかな/校閲批判はほとんど見かけないが誰に対する反論だろう

[trace22]

じゃあ校閲の責務ってかなり軽いんだな。AIにでもやらせとけば良さそう。

[snowmann129]

良心で一応指摘するけど編集なり著者がスルー、ということもあると思う。

[nihonbuson]

以前にソフトウェアレビューのカンファレンスにて、出版社の編集者の校閲の仕事について講演していただいたけど、その時のお話とこの投稿が全然違う状況なのに驚いた。 https://www.jasst.jp/symposium/jasstreview20/pdf/S1.pdf

[AKIYOSHI]

「段落を削ることを許された校閲」は大西寿男。新潮社校閲部とか伝説的だけど、それは例外で出版スケジュールのなかでできることが限られるのは納得。https://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2022124932SA000/?np_banID=top_sp0239_124932

[pmint]

はてなーの感覚では権威ありそうな媒体はみんなこれと同じなんだろう。https://b.hatena.ne.jp/entry/4720322242327682786/comment/metamix 学校教育の弊害。自身はファクトチェックもせずにコメントを書いてるくせに。

[c_shiika]

この記事のパロディで「肛門は何をしているのか」という増田がきっと来る

[lanlanrooooo]

たしかに、あそこまでの間違いは校閲に回す前に普通は消えてなあかん間違いやしね。

[neko2bo]

“実際には「ツッコミどころが多過ぎることを編集者も自覚しているが、それを筆者との間で摺り合わせる時間も気力も無い」だけじゃないのか？と、一介の校閲者として邪推したくなることはあります。『ゲームの歴史』

[wordart]

熟読 / 事実確認よりさらに踏み込んだ先、論旨の妥当性などまで確認するとなると、クレジットとしては例えば「監修」などが相当しそうだなと思っています。

[J_J_R]

最近聞いた話、秋元康と佐久間宣行のラジオだったかなあ、校閲者の中には文学作品で誤字脱字の指摘に留まらず段落丸ごと削った方がいいとかアドバイスして作家先生に感謝される仕事する人もいるんだとか。

[cinefuk]

劇中の月齢まで調べてくれる校閲さんの話題を作家から聞くので、余裕持って調べ物ができる環境をみんな期待してしまうけれど、そんな余裕ある事も少ないだろうね

[tanakamak]

本編み校閲

[napsucks]

そのうちchatGPTで校閲してもらえそうだね。

[hapilaki]

1冊の本の全体としての整合性を確認するのではなく、枝葉末節を確認するのが校閲者なのか。全体最適ではなく部分最適のプロってことだね。

[T-miura]

“そもそも筆者は誰よりもその分野に詳しいから本を書いているのであって、その内容を筆者以上の緻密さでチェックできる人間は、論理的には存在しないはず”せやな。ミス系はチェックできても、論旨とかは厳しい

[pikopikopan]

詳しい界隈の人だ！！書いてくれてありがとう！！

[sds-page]

指摘しても止まらない可能性

[kirakking]

校閲者はレビュワーじゃないものね。

[Baybridge]

本阿弥光悦「呼んだ？今、舟橋蒔絵硯箱作ってっから後でな」

[by-king]

逆にけしからん主張なので校閲で弾かれるってなったらそれの方が恐ろしいし