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ひやひやと壁をふまへて昼寐哉 - 芭蕉百句 100 haikus of Basho
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ひやひやと壁をふまへて昼寐哉 - 芭蕉百句 100 haikus of Basho
ひやひやとかべをふまへてひるねかな 元禄7年(1694)の作。『芭蕉翁行状記』には「粟津の庵に立ちより... ひやひやとかべをふまへてひるねかな 元禄7年(1694)の作。『芭蕉翁行状記』には「粟津の庵に立ちよりしばらくやすらひ給ひ、残暑の心を」と詞書きがある。『笈日記』では、芭蕉が各務支考に「この句はどう解釈するかね」と尋ねると「残暑の句と思います。きっと蚊帳の釣手などに手を絡ませながら、物思いに耽っている人の様子でしょう」と応えている。すると芭蕉は「この謎は支考に解かれたな」と笑ったと記されている。 おそらく、寝そべったまま足を壁に凭せかけた芭蕉が足裏に冷ややかさを感じたのである。壁はおそらく土壁だったのであろう。元禄時代までは「昼寝」は夏の季題とはされていなかったので、その触感はまさに秋の訪れを感じさせる「秋冷」だったのである。もっとも、まだ残暑の候であるから、心地よい冷ややかさだったのであろう。童心に帰ったような芭蕉の無邪気さが感じられ、ここにも「軽み」の詩境が感じられる。 季語 : ひや