妊婦が置かれている現状に目を向けずに論じていませんか？ 論点のズレを認識してほしい。その２ - FMC東京 院長室

前回からの続きです。 検査の実施に反対する意見に関して、私が感じている違和感、論点がずれていると思う点について、解説していきます。 ・胎児の染色体異常が見つかった結果、ほとんどの妊婦が中絶を選択する現状がある。これが広がることは命の尊厳を損なうことにつながる。 これは、NIPTコンソーシアムの調査結果に基づいてよく言われる話です。NIPTを受けて陽性と判定されたのちに羊水検査を受けて染色体異常が確定した方の約9割が人工妊娠中絶を選択したという話に基づくわけですが、以下の疑問が出てきます。 1. NIPT以外の検査で何らかの胎児の異常が発見された際の妊婦の選択はどうなっているのか？確定検査で染色体異常が見つかった時には、どういう選択がなされているのか？確定検査に到達しないで中絶を選択してしまう率はどのくらいあるのか？ → 現在、産科医療現場で起きているおかしな現象について記しておきましょう。

[oritako]

赤字で描かれた部分、本当にその通りだと思う。“若い世代に重荷を背負わせる形でのみ「命の尊厳」などと言う重い命題を持ち出してくることは、バランスを欠いていると思います。”