父親の愛読書は石原慎太郎の『スパルタ教育』…松尾貴史が振り返る、「カレー」と「芸能」に目覚めた若き日々（週刊現代） @gendai_biz

そこから引っ越したのは三宮の神戸商工貿易センタービルが建っている界隈。「末積製額」という額縁屋さんが所有するアパートの3階で、1階のテナントには中国人が開業している医院とナショナル（現・パナソニック）の店舗があって、僕らは脇の階段を上ったり下ったりしながら暮らしていました。 当時の三宮は「発展途上の街」でした。空き地で友達と段ボールの中に入って遊んだり、外国人相手に身体を売る女性が街角に立っていたのも覚えています。 コンパクトをのぞき込んで化粧直しばかりしている女性のことが気になって、親父に「あのオバちゃん何してんの？」と聞いたら、「友達待ってんのや」とお茶を濁されましたけど（笑）。 バーテンダーだった親父の愛読書は、石原慎太郎さんの『スパルタ教育』でした。一人っ子だった僕を厳しく育てなければと考えていたのでしょう。 それにしても度を越していました。小学校低学年のある日、『11ＰＭ』（日本