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『「その日暮らし」の人類学 もう一つの資本主義経済』したたかさとなまぬるさの間の生き方 - HONZ
「いま、ここ」に真剣に生きる。 そのような当たり前の事実をアドラー心理学やマインドフルネスで説かれ... 「いま、ここ」に真剣に生きる。 そのような当たり前の事実をアドラー心理学やマインドフルネスで説かれる。わかっちゃいるけど、実践できないのは、ついつい過去を悔やんだり、不確実な未来に思い悩むからである。一方で、リスクを出来るだけ最小化するために予測可能性を高め、テクノロジーが予見する世界像を理解・共有しながら、未来の解像度を高めようとする。そうして、現在と未来の間を行き来し、板挟みになり息苦しさを感じる。 くよくよ思い悩む私たちを尻目に、世界には「いま、ここ」を生きている人たちがいる。アマゾンの少数民族ピタバンである。ピダハンの言語には、過去や未来を示す時制がきわめて限定的にしか存在しないのだ。未来や過去を含め、抽象的な概念を表現する言語はほとんど存在しない。 そして、人類学者はしばしば、金銭的・物質的な側面では明らかに私たちの社会よりも貧しい社会に存在する異なる豊かさをに心動かされ、賞賛す
2016/09/27 リンク