『オッペンハイマー』レビュー 広島・長崎に目を向けていないのは、オッペンハイマーの伝記映画として重大な欠点ではないか

※本レビューには映画『オッペンハイマー』のストーリーや展開に触れる記述が含まれます。 カメラは人の心を写せないが、映画『オッペンハイマー』では少々勝手が違うようだ。なぜなら、この映画では「オッペンハイマーの心」が心象風景として視覚的に描かれるからである。その心的イメージは「宇宙の幻影」として火花が炸裂したり、粒子が回転するような抽象的な映像からはじまり、オッペンハイマーの苦悩が深まっていくにつれ、外界をも浸食し、“実際には見ていない”さまざまな光景を幻視しはじめる。 それはマンガの吹き出しや論文の注釈のようなものだ。我々は表情・台詞・状況に加えて「心的イメージ」を第四の手がかりとして、オッペンハイマーの心を推論していく。あるいはそこに何が描かれているのか、あるいは何が欠けているのかで、作り手であるクリストファー・ノーランの心（意図）も推論するだろう。 そして映画では、物語がどんどん進むにつ

[hitac]

我々日本人視点だと、広島・長崎を大きなモノと捉えちゃうんだけど、映画を見るとオッペンハイマーが恐怖してたのは「世界を破壊すること」なんだよね、それを考えれば何十万人死んでようが些末な事になってしまう。

[jnkfkt]

この映画の主題は人知が及ばぬ連鎖反応の恐怖。核分裂・核融合という物理の話と、人間の卑小な感情が招く赤狩りという政治の話を並行して描くのがキモで、日本への原爆投下はその中の1エピソードに過ぎないんだよな

[Dursan]

本来はユダヤ人として対ナチスの御旗のもとだったものが、全て変な方向に流れてったっていう描写や被害が予想以上だった描写があったし、ちゃんとスパイスとして効きすぎるくらい効いてるのよ日本への原爆投下。

[debabocho]

本作はオッペンハイマーの伝記ではなく、原子爆弾がどう生まれたかを描く映画。原爆の被害者や開発に関わらない関係者は敢えて外され、暴走機関車的な小集団の手で世界の破壊者が生まれた特異性を際立たせてる。

[fatpapa]

目を向けてない訳ではなく直接描けば敵国への憐憫や使用の正当化・反感など感情論に矮小化されてしまうからでは？人類を滅ぼす代物を作ったが使うのは政治家で責任さえ負えない科学者が権力争いする哀れさに泣いたわ

[confi]

映画はかわいそうなオッペンハイマーのキャリアを行方を見てハラハラ映画なのでジャップの死体とかどうでもいいんですよ

[minoton]

アメリカンプロテウスを読んだうえで映画観たけど、やはりオッペンハイマーは理論家なんじゃないかなあ 参考: ppenheimer’s Farewell Speech https://ahf.nuclearmuseum.org/ahf/key-documents/oppenheimers-farewell-speech/

[dbdbkun]

時系列を普通にしたらわかりやすい英雄譚になってしまう。入れ替えた事で開発の高揚と後悔が同時にくる。原爆の描写が少ない批判多いけど日本で南京や関東大震災を描いた大作映画作れるかって言ったら公開すら怪しい

[cyph]

はてブに上がってきてる中ではこっち向きのレビューは珍しい気がする

[greenbow]

大気の点火が物語の主軸であると考えれば広島、長崎はあっさりでいいと思う。伝記としてどうなのか、という問題はあるかもしれないけど。あとストローズが喋りすぎなのは同意。

[tekitou-manga]

幻視までみせてるのに排除した事は確かにという気が/真面目な話、米の一般観客にどの程度理解できたのかって割と怪しい気しかしないんだよな/劇場で三時間は辛いので、原作本読みながら配信に来るの待って再視聴する

[ustar]

書かれていることはわかるし映画は米国の観客が理解できるギリギリを描いたとも思う

[lli]

映像によるイメージは強烈なので、核戦争の時代への変遷を描くにあたり広島や長崎のシーンを入れると印象が限定化されると思う。この映画では入れなくて正解かな。