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“あらゆる恐さのニュージャンル”を求めて 角川ホラー文庫の三十年 | カドブン
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“あらゆる恐さのニュージャンル”を求めて 角川ホラー文庫の三十年 | カドブン
怪奇幻想ライター/書評家 朝宮運河 二〇二三年は、角川ホラー文庫創刊三十周年のメモリアルイヤーであ... 怪奇幻想ライター/書評家 朝宮運河 二〇二三年は、角川ホラー文庫創刊三十周年のメモリアルイヤーである。変化の激しい出版業界において、ホラージャンルに特化した文庫が三十年の長きにわたって存続したのは驚異的なことである。長年の読者として、祝福の意を表したい。 読者の中には、生まれた時から角川ホラー文庫が存在していた、という方も少なくないことだろう。ここで一度想像してみてほしい。もし三十年前に角川ホラー文庫が創刊されていなければ、多くのホラー作家がデビューの機会を逸し、無数の作品が埋もれていたはずである。それはホラーに興味を持つ読者の減少に繫がり、ホラージャンル全体の沈下を招いていたかもしれない。 専門の文庫レーベルがあるというのは、それだけ大きいことである。新人賞や専門誌の存在と並んで、ジャンルにとっての意義は計り知れない。この三十年の日本のホラー小説の発展は、角川ホラー文庫抜きに考えることは