地方自治体と歴史学者【呉座勇一】

『公研』2020年2月「めいん・すとりいと」 呉座 勇一 今年のＮＨＫ大河ドラマは『麒麟がくる』。主人公は明智光秀である。昨年から今年にかけて、例によって大河ドラマ関連本が多数刊行された。 明智光秀は謎の多い人物である。その前半生も本能寺の変の動機も、いまだ定説を見ない。光秀に関する史料が乏しく、歴史学界でも結論が出せないため、作家や自称歴史研究家が「謎解き」に多数参入している。ゆえに、今回の大河ドラマ関連本は、例年以上に玉石混淆である。 特に私が懸念しているのは、明智光秀の末裔を称する明智憲三郎氏の活動である。明智説の問題点については、拙著『陰謀の日本中世史』（ＫＡＤＯＫＡＷＡ）や現代ビジネスのインタビュー「この国に陰謀論が蔓延する理由」、日経ＢｉｚＧａｔｅのインタビュー「『本能寺の変』のフェイクニュースに惑わされる人々」などで論じたので、ここでは再説しない。 明智憲三郎氏の問題は、明智

[machida77]

歴史についてまともな検証を経ていない珍説を自治体が利用する問題／何かの起源を自治体が地域おこしに利用するパターンでもこの種の事例が複数ある

[x4090x]

最近は教育委員会が、歴史番組の司会を長きにわたってつとめただけの勘違い○郎を講演会に呼んでしまうので、根は深い。講演料はおそらく6桁

[jamira13]

日本遺産制度がこれ

[FUKAMACHI]

しかも自治体がそれに乗っかるという。“明智憲三郎氏の問題は、明智説の内容以上に、「光秀の末裔」を売り文句に使っていることである。 そもそも明智憲三郎氏が光秀の子孫であることを示す史料は存在しない”

[sasakisasao]

歴史は学者だけのものではないし、学会のみが真実の判定場所ではない

[iinalabkojocho]

“学界の通説と懸け離れた奇説珍説を唱え、「これが歴史の真実で、歴史学界はデタラメだ」などと誹謗する作家を呼ぶのは百害あって一利なしだ。市民への教育普及という本来の業務を見失ってはならない。”

[natu3kan]

本当の子孫が提唱した仮説であっても、裏付ける当時の資料がなければ信頼性は低い。

[RRD]

地方自治体が熱心な郷土史とかも酷いの結構あるよ。下手すりゃ偽史利権みたいになってると思われるところがあるけど、否定する根拠もなかなかなくてなあ。

[takeshi]

まったくそのとおり。本人が信じててもなんの根拠もないし、呼んじゃダメだ。