私の推シゴト： バブル期に「踏み絵」も 都会の農家が宅地化圧力に耐え築いた役割 | 毎日新聞

土地が値上がりしたバブル期に冷たい視線を向けられることもあった大都市の農地。高度経済成長の陰で幾度となく存続の危機に立たされながら、その農地を守った人たちがいる。今では農産物の供給だけでなく、景観や防災上の役割などが評価され、都市農地の必要性が法的に位置づけられるまでになった。大都市の農家はどう逆風をはねのけ、なりわいを続けてきたのか。 リピート7割 経営の柱・体験農園 「トウモロコシの種は一気に全部まいちゃってくださいね。どうしてかって言うとね……」。4月12日午後、白石農園代表の野菜農家、白石好孝さん（70）は、野菜作り講座の受講生約50人を前にワイヤレスマイクを使って語りかけた。 ここは東京都練馬区大泉町の農業体験農園「大泉 風のがっこう」。東京駅から北西に約20キロの、東武東上線と西武池袋線に挟まれた住宅街にある。白石さんが1997年に開設した。 トウモロコシは雄花が花粉を散らして