地図に記載されるも、実在しない「幻の島」 その謎を追う

1739年に最初に発見されたものの、長らく実在しないとされたブーベ島。200年後、アフリカの南西2400キロメートルにその存在が確認された。（PHOTOGRAPH BY SCUBAZOO, ALAMY STOCK PHOTO） 地図製作の黎明（れいめい）期、実際には存在しない幻の島「幻島」が地図上に頻繁に出没した。こうした島々は、現代の科学によって“悪魔払い”のように消し去られるまで地図に残されていた。伝説、測定ミス、目の錯覚、まったくのでっち上げなどが原因で、数百もの幻島が地図に記載された。そのいくつかは、何世紀にもわたって地図に記載されたままだった。 ひと昔前までは、宝物や名声、未踏の地を求める探検家たちが、こうした誤った記載に基づいて、実りのない、ときには命懸けの大洋航海に乗り出した。アイルランドの西、大西洋にあり、「訪れた者を不老不死にする」と言われたハイ・ブラジル。伝説の金銀が埋