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ベトナム、ハノイの街をスクーターで走りながら、携帯電話を使う若者たち。常につながり、反応することを求められる文化では、ストレスレベルが高まり、無謀な行動をとり、生産性が低下し、精神的な健康が損なわれる可能性がある。(PHOTOGRAPH BY MARIO WEIGT, ANZENBERGER/REDUX) 世界はペースがどんどん速くなり、高度につながり合っていて、すぐさま対応することがよしとされる。そのような「即レス文化(urgency culture)」によって、何が本当に重要で何が重要でないかの境界が曖昧になっている。 仕事では、たびたび来る土壇場の依頼、非現実的な納期や仕事量、勤務時間外の連絡に対応などが求められる。私生活では、人間関係で無理をする、取り残されることへの恐怖(FOMO)からSNSを頻繁にチェックする、立て込んでいるようなときでも電話やテキストメッセージに即応するといっ
わざわざカジノに出掛けなくても、スマートフォンさえあればギャンブルできる時代になった。米国のギャンブル事情はこの数年で様変わりし、オンラインでギャンブルを始めて続けることがどんどん容易になっている。(PHOTOGRAPH BY GEORGE ROSE /GETTY) ギャンブルは歴史を通じて定期的に大流行してきたが、最新のピークは今かもしれない。きっかけは2018年、米連邦最高裁判所が「プロ・アマスポーツ保護法(PASPA)」を覆したことだ。この連邦法が存在したことで、米国ではほとんどの州がスポーツ賭博を禁止していた。(参考記事:「中国で競馬が復活、建国以来初」) 米連邦最高裁の判決をきっかけに、一夜にして、スポーツ賭博の広告がちまたにあふれた。今や、スポーツ中継だけでなく、スポーツ以外の番組やオンラインのあらゆる場所で広告を目にする。 この判決が下されてからの5年間で米国民はスポーツに2
エジプト、アビドスの警備員が、神殿の柱に光が差し込む様子を見ている。アビドスは人里離れた渓谷にある古代エジプトの埋葬地兼礼拝所で、略奪と都市開発の脅威にさらされている。(PHOTOGRAPH BY GARGOLAS, GETTY IMAGES) イタリアにあるピサの斜塔は1173年の着工以来、地盤の変動と不安定な基礎のために傾き続けている。しかし、1993年に始まった修復計画のおかげで、このユネスコ世界遺産は矯正され、ここ数十年は(少し)真っすぐになっている。 ピサの斜塔以外にも、人が介入しなければいずれ崩壊してしまう歴史的建造物は多い。原因は時の経過による荒廃だけでなく、略奪、オーバーツーリズム、工業化、気候変動などさまざまだ。ここでは、人の手で救おうとしている価値ある建造物を5つ紹介しよう。 「ボローニャの斜塔」、イタリア イタリア、ボローニャに立つ2つの塔、アシネッリ(左)とガリセン
このほど巨大フレアが発生したマグネターがあると考えられるM82銀河。NASAの宇宙望遠鏡スピッツァー、ハッブル、チャンドラがそれぞれ異なる波長で撮影した画像を合成した擬似カラー画像。(PHOTOGRAPH BY NASA/JPL-CALTECH/STSCI/CXC/UOFA/ESA/AURA/JHU) 2023年11月15日、欧州宇宙機関(ESA)のガンマ線観測衛星インテグラルが、巨大なガンマ線バーストを捉えた。この爆発現象は、私たちの銀河系の外にある「マグネター」から発生した巨大フレアという、極めて珍しい現象によるものだとする論文が、2024年4月24日付けで学術誌「ネイチャー」に発表された。 バーストの持続時間はわずか0.1秒だったが、すぐに世界中の天文学者に警報が発せられた。天文学者たちはガンマ線の発生源を突き止めようと大急ぎで観測機器を向けたが、その後の展開は彼らの予想とは違ってい
中南米に生息しているクラウドタイガーキャット。(無音の映像です)(VIDEO BY JOEL SARTORE, PHOTO ARK) ネコ科の動物のうち、ライオンやトラのことはみなよく知っている。だが、イエネコとほぼ同じ大きさで、中南米に生息するタイガーキャット(ジャガーネコ)についてはどうだろう? 実を言うと、専門家もあまりよくわかっていなかった。これまで正式にタイガーキャットとして認められていたのは、ノーザンタイガーキャット(Leopardus tigrinus)とサザンタイガーキャット(L. guttulus)の2種だけだった。ノーザンタイガーキャットはさらに、3種の亜種に分かれている。いずれも見た目は似ているが、1月29日付けの学術誌「Scientific Reports」に、さらに新種のクラウドタイガーキャット(L. pardinoides)を発見したという論文が発表された。これ
研究室で培養された大腸がん細胞の共焦点蛍光顕微鏡写真。DNAを含む核は青、細胞骨格のチューブリンは緑色に見えている。(MICROSCOPY AUSTRALIA, UNIVERSITY OF SYDNEY/SCIENCE PHOTO LIBRARY) アスピリンと大腸がん予防 アスピリンと大腸がんの予防や進行の遅延との関連を示唆する研究はいくつかある。しかし、メカニズムはまだ不明であるため、どの患者が最もアスピリンの恩恵を受けるのかは予測が難しい。 2020年4月に医学誌「Annals of Oncology」に発表された、45件の観察研究の結果を分析したレビュー論文 からは、定期的なアスピリンの使用が大腸がんの発生率の低さと関連していることがわかっている。大腸がんの発症リスクは1日あたり75~100ミリグラムの服用では10%、1日あたり325ミリグラムでは35%減っていた。 そのほかにも、
――日本人は昔からタコが大好きです……主に食べ物として。ですがタコは非常に好奇心旺盛で、番組や本でも見られるとおり、人間に対しても興味津々に近づいてきますよね。我々をサメのような捕食者として恐れないのはなぜなのでしょうか? とても良い質問ですね(笑)。タコがいかに早く「信頼すること」を学ぶかについて、私はいつも驚かされ、感動しています……。殻も牙も爪も持たないタコは、非常に脆弱な生き物です。自分の身を守るものは何もありません。それでもタコは、その極端な脆弱性を上回るほどの衝動に駆られた好奇心を見せるのです。 私は、タコのこの特性は、親の世話を受けないことから来ていると考えています。タコは卵からかえった瞬間から完全にひとりぼっちです。指導してくれるタコはいません。そして、ほとんどの種が1~2年しか生きられない、とても短命な生き物です。でも、だからこそタコは、どんな機会も学びの経験と捉えるのだ
犬の自主性を尊重し、満たされた日々を用意するには? データとファクトとサイエンスこそが、犬と暮らすあらゆる局面で最良の方法を選ぶ助けになる。 5月20日発行 予約受付中! 定価:2,420円(税込) 本書の内容 犬の「なぜ」を丁寧に解き明かし、つねに最良の方法を選択できる賢い飼い主になるための知識を提供します。 初めて犬を迎える人から、最新の情報を知りたい人まで、あらゆる飼い主に読んでもらいたい本。 [犬の幸福度チェックリスト付き] 犬が幸せを感じるのはどんなとき? 犬が自ら状況をコントロールし、問題を解決する機会を与えることが重要。 人間を信頼してもらうには子どものころから何をすべき? 犬の幸福度が上がる、正しい訓練とは? 犬が求めるのはフードの報酬? 人間とのふれあい? あなたは正しく犬のサインを読みとっている? 犬の粗相は怒りや嫌がらせではなく、病気の兆候かも? 犬は終始フルパワーで
毎日のアスピリンの服用と大腸がんの発症リスクの軽減を関連付ける新たな研究が発表された。(PHOTOGRAPH BY MARK THIESSEN) アスピリンは筋肉痛や頭痛をやわらげたり、熱を下げたりする薬としてよく知られている。また、低用量であれば血液をサラサラにして、脳卒中や心臓発作の原因となる血栓を防ぐのにも使われる。そして、2024年4月22日付けで医学誌「Cancer」に発表された新たな研究により、この薬が大腸がんの予防にも役立つことが示唆された。 大腸がんは結腸または直腸に発生するがんであり、世界保健機関(WHO)によれば、がんのタイプとしては世界で3番目に多く、がんによる死因としては2番目に多い(編注:国立がん研究センターの「がん情報サービス」によれば、日本では大腸がんは罹患数で1位、死亡数で2位)。 WHOによると、2020年には全世界で新たに190万人以上が大腸がんと診断さ
マヤの寺院から見つかった、焼かれた品々。もともとはマヤの王族とともに埋葬されていたものだと考えられる。左上から時計回りに、緑色岩の髪飾り(およびその復元図)、人の頭の形をしたペンダント、装飾が施された円盤、緑色岩の飾り板の破片。(PHOTOGRAPH COURTESY C. HALPERIN) 中米グアテマラのマヤの遺跡で、焼かれた人骨と、高価だが破壊されている装飾品の数々、そして緑色岩の石仮面が見つかった。謎めいたこれらの遺物は古代マヤ文明の都市の王族に由来するもので、1000年以上前に起きた政変を直接伝える貴重な考古学的証拠だとする論文が、4月18日付けで学術誌「Antiquity」に発表された。(参考記事:「見事なヒスイの石仮面を古代マヤの王墓で発見、「闇の時代」に光」) 奇妙な発見の舞台となったのは、当時の住民たちに「カンウィツナル」と呼ばれていた、マヤ低地の王国の中心にあったウカ
イタリア、カターニアのエトナ山は、ガスと蒸気でできた輪を吐き出す珍しい火山だ。これは「火山性渦輪(うずわ)」と呼ばれる現象で、円形の噴火口から水蒸気とガスが常に噴出している特別な条件下でしか見られない。(PHOTOGRAPH BY FABRIZIO VILLA/GETTY IMAGES) 2024年4月上旬、活火山として有名なイタリアのエトナ山で、噴火口からゆらゆらと青空に立ち上っては消えてゆく無数の煙の輪が観測され、話題になった。(参考記事:「【動画】溶岩の噴出が半端ない! 迫力のエトナ山」) 同じような煙の輪は、昔から世界のほかの火山でも目撃されてきたが、どのようにして形成されるのか、なぜ一部の火山だけで見られるのかなど、詳しいことはわかっていなかった。しかし、そのような疑問に挑んだ論文が、2023年2月9日付で学術誌「Scientific Reports」に発表されている。 火山がつ
イエローのラブラドール・レトリバー。(PHOTOGRAPH BY JOEL SARTORE, NATIONAL GEOGRAPHIC PHOTO ARK) 1997年、ドイツ、ベルリンの科学捜査官が、ある珍しい事件に関する論文を学術誌「Forensic Science International」に投稿した。事件の夜、31歳の男性が母親の家の裏庭にある、物置を改装した小屋にこもっていた。彼はそこで飼いイヌのジャーマン・シェパードと一緒に暮らしていた。 午後8時15分頃、小屋のほうで銃声が鳴ったのを、近隣の人々が耳にした。 45分後、その男性が拳銃で口を撃ち抜いて死んでいるところを母親と隣人たちが発見した。男性の手にはワルサーの拳銃が、テーブルの上には遺書が置かれていた。 その後、警察官がさらに驚くべきものを発見した。彼の顔と首の大半は消え失せ、傷の縁には歯型が付いていた。 理由はすぐにわか
木星の衛星イオの北極域を明らかにする画像。2023年10月15日に、NASAの探査機ジュノーによって撮影された。これまでの観測では高緯度地域の画像はあまり得られていなかったため、画像上部の昼と夜の境目付近にある3つの山々は今回初めて撮影された。(PHOTOGRAPH BY NASA/JPL-CALTECH/SWRI/MSSS/TED STRYK) さび色をした木星の衛星イオは、知られているかぎり火山活動が最も盛んな天体だ。表面のあちこちに都市よりも広い溶岩の海があり、空には火山が吐き出す噴煙が地獄の傘のように広がっている。だが、イオはいつからこのような天体になったのだろうか? 科学者たちはこれまで、イオがたどってきた歴史についてはほとんど何も知らなかった。 2024年4月18日付けで学術誌「サイエンス」に発表された論文によると、イオは何十億年も、ことによると太陽系が誕生して間もない45億年
現在、南極では毎年約1000個の隕石が見つかっている。しかし、気候条件の変化により、大量の隕石が氷の下に沈んでしまう可能性がある。(PHOTOGRAPH BY CINDY EVANS, NASA) 南極では、これまでにおよそ5万個の隕石が見つかっており、さらに数万個を回収できる可能性がある。そうした隕石の一つひとつには、太陽系の進化の物語が秘められている。たとえば、この氷の大陸で見つかった最初の月の石は、小惑星よりも大きな天体の物質が地球に届く可能性があることを教えてくれた。 現在、科学者らは毎年約1000個の隕石を南極で発見している。しかし、学術誌「Nature Climate Change」に4月8日付けで発表された研究によると、温暖化によって、毎年約5000個の隕石が氷に埋もれて消えているという。 こうした変化を推定するにあたり、科学者らは、隕石が表に出てくる可能性がある場所を特定す
アントニオ・ビバルディを描いたと思われる肖像画だが、はっきりしたことはわかっていない。作者不詳。(SCALA, FLORENCE) ビバルディの『四季』と言えば、クラシック音楽のなかでも最も愛されている不朽の名作の一つだ。それぞれの季節を表す4つの協奏曲から成る音楽は、1725年に発表された当時と変わらず、今も人々の心を躍らせる。ところが、第二次世界大戦前は、音楽家の間でもこの曲を聴いたことがある人は少なく、アントニオ・ビバルディという名前すら、音楽史の脚注で言及される以外ほとんど知られていなかった。 若かりし頃のビバルディは、イタリア、ドイツ、フランス、イングランドで、バイオリンの名手かつ優れた作曲家として知られ、もてはやされていた。その才能は留まるところを知らず、40曲以上のオペラと、数百もの協奏曲を生み出した。それらの曲はヨーロッパ中で演奏され、同じ時代に活躍したヨハン・セバスチャン
トウガラシは現代の中国料理に欠かせないものだが、この植物が中国に伝来したのは16世紀のことだ。その後、数百年をかけて改良され、現在、中国は世界一のトウガラシ生産国だ。(PHOTOGRAPH BY MARIAH TAUGER, LOS ANGELES TIMES/GETTY IMAGES) 米国の家庭がとても欲しがり、レストランでは大胆なレシピを生み出しているもの。その正体はチリクリスプで、今や食品界のスターだ。トウガラシ、油、そしてニンニク、タマネギ、サンショウ、さらには発酵大豆などが入った中国の調味料であり、その万能性と刺激で存在感を示している。 しかし、どうしてこのような調合になったのだろう? ここでは、チリクリスプがどのように生まれ、なぜ今これほど愛されているのかを紹介しよう。 スパイシーな始まり 「トウガラシは昔から中国にあったわけではない」と米ウィットマン大学の歴史学教授で、『T
超人的な俊敏性:「サムライ」町井勲 フィクションの世界では、吸血鬼や狼男などが、超人的な俊敏性、つまり並外れたバランス感覚や反射神経を持って描かれることがある。現実の世界でも、遺伝とトレーニングの組み合わせによって、超人的な動作を身につけた人がいる。 たとえば、居合術家の町井勲氏は、自分に向けて放たれた6ミリのBB弾を、日本刀でまっぷたつにした。また、早撃ちの達人ボブ・マンデン氏は、10分の1秒以下で銃を取り出して正確に発射できる。これは、平均的な人間の脳の反応時間よりも速い。 「現代のサムライ」町井勲氏。彼は超人的な俊敏性、つまり並外れたバランス感覚や反射神経を持っていて、すでに伝説的な存在になっている。(PHOTOGRAPH BY IRA BLOCK) 超人的な記憶力:メンタルアスリート 1組のトランプカードの順番を20秒で覚える。あるいは、数百人の見知らぬ人の名前と顔を数分で覚える。
ドクチョウのヘリコニウス・エレバトゥス(Heliconius elevatus)は、アマゾンに生息する他の2種のドクチョウの交雑から生じた種であることがわかった。(PHOTOGRAPH BY ANDREW NELID) 南米アマゾンにすむドクチョウ属のゲノムを比較した結果、ヘリコニウス・エレバトゥス(Heliconius elevatus)という種が、H.メルポメネ(H. melpomene)とH.パルダリヌス(H. pardalinus)の交雑によって生じたことがわかったとする論文を、米ハーバード大学の研究員であるニール・ロッサー氏が率いる研究チームが2024年4月17日付けの学術誌「ネイチャー」に発表した。 ダーウィンは『種の起源』を出版する22年前の1837年に、ノートに「生命の樹」の絵を描いた。以来、生命の樹は、共通の祖先から新しい種が分岐するプロセスの比喩として生物学者に利用され
第5章 1956- 第二期黄金時代からさらなる挑戦へ 第24回 世紀の大発見「タイタニック号、発見!」のウソ 前回は深海生物の“世紀の大発見”を紹介しました。見つけたのはナショナル ジオグラフィック協会がずっと支援をしている地質学者のち海洋考古学者のロバート・バラードです。でも、ロバート・バラードといえばやっぱりタイタニック号ですよね。これも“世紀の大発見”でしょう。というわけで、今回はバラードの世紀の大発見第2弾として、タイタニック号をとりあげてみます。 ロバート・バラードがタイタニック号を発見したのは1985年9月1日のこと。場所はカナダ・ニューファンドランド沖550キロの水深約3800メートルの海底です。大発見のニュースは一気に世界をかけめぐり、『ナショナル ジオグラフィック』の1985年12月号にはバラード自身が「我々はいかにしてタイタニック号を見つけたのか(How we foun
SFに出てくるようなスーパーパワーではないかもしれないが、フィリピン、マレーシア、インドネシアに暮らすバジャウ族の人々は、酸素を効率的に使えるように遺伝能力を進化させ、優れたフリーダイバーになった。インドネシアのトギアン諸島に暮らすダフリン・アンボタング氏(写真)は、ひと息で最大4分潜ることができる。 人間離れした強大な力「スーパーパワー」は実在する。もちろん、人間は、マーベル・コミックのスーパーヒーローチーム「X-メン」のウルヴァリンのように巨大な爪を生やしたり、サイクロップスのように目からエネルギー光線を発したりはできない。だが、科学者によると、人間の体と脳には、超人的な離れ業をやってのける可能性が秘められている。 X-メンのストーリーにも少し似ているが、遺伝子の変異からスーパーパワーが生じることもある。たとえば、ヒマラヤのシェルパ族は、体力と持久力を高める遺伝子のおかげで高地に適応し
コンゴ民主共和国の自然保護区で「スパーリング」をするボノボ。(Photograph by Cyril Ruoso, Minden Pictures, National Geographic Creative) 人間の暴力性は、霊長類の祖先からずっと受け継がれてきたものだという研究成果が9月28日付けの科学誌「ネイチャー」に発表された。それを見て「ほら、本当は私たちもただの動物じゃないか」と考えることはたやすいが、そんなに簡単に言ってしまっては動物への理解が足りないようだ。 この研究で科学者たちは、相手を死に至らしめる暴力的な行動事例について調査した。捕食者と被捕食者など、別種の動物を殺す行為ではなく、共食いや子供の殺害、争いなど、同じ種の中で起きたものが対象だ。(参考記事:「【動画】衝撃、子グマを食べるホッキョクグマ」) 科学者たちは、トガリネズミから霊長類まで、1000種以上の哺乳類の約
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