最も残酷なのは、「誰でも幸せになれる世界」に住む人々｜小野ほりでい

不幸や理不尽の存在を抹消することによってこの世を「肯定」しようとする試みはどれほど善意で取り繕っても暴力という本質を外れない。この世に回避不可能な不幸や理不尽はなく、みな平等の可能性のもとに暮らしているという思い込みを公正世界信念などと呼んだりするが、なかでも自己責任論（すべての不幸には“原因”がある）はその最も単純な表現だろう。 「自由意志」には「責任」が伴っているという合理主義的な世界観は、ともすれば合理の存在し得ないところに合理を見出そうとする不合理に帰結する。つまり、「自由意志」に基づいて判断したから「責任」が生じるのではなく、「責任」を追及したい事件に対して遡及的に「自由意志」とか「判断の余地」が生じるのだ。世の中で「理不尽」な「不幸」があれば、必ずそこに駆けつけて「責任」や「自由意志」の存在を見出し、世界の合理性を保とうと試みる者が存在するが、これが自己責任論者の一般的な倫理で

[njamota]

「「責任」を発生させるために「自由意志」が遡及的に形成されるという「公正世界」独特の因果関係」

[neet_modi_ki]

オリンピックじたいがその欺瞞、質の悪いプロパガンダのもっともたるものだよな。「復興五輪」やら「コロナに打ち勝った証」やら、やたらポジティブなスローガンはあるが、そこに現実は存在しない。

[whalebone]

『問題の解決を「広報」することは、実際に問題を解決するよりはるかにコストパフォーマンスに優れている』

[aquatofana]

輪廻転生が強く信じられている上座部仏教諸国で、障害者は「前世の報いを受けている」のだからと蔑まれると言う話を思い出した。自称幸せの国ことブータンが典型らしいけど、東南アジアにもある考えだとか。

[nagaichi]

オモコロのイメージが強すぎて、文章と筆者の間の違和感が半端ない。

[spark7]

『これが、世界を「肯定的なもの」だけで描写しようとする試みが孕む暴力性なのだ』

[cliphit]

憲法あるし社会的には認知されている（社会側が"わきまえてる"）と思ってたら、抹消されてきて慌てて活動家するお茶目な日本人。グローバリズムを感じる。

[minamihiroharu]

「問題の解決を「広報」することは、実際に問題を解決するよりはるかにコストパフォーマンスに優れている」　これで頭に浮かんだのは権力側のプロパガンダと共にグレタ氏の環境運動なんだよなあ。

[contractio]

次期「哲学の講義」では、こういうお話をいたしません。