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ドラフト直後、18歳の松井秀喜が校舎の非常階段で漏らした悲哀 「僕、行かなきゃいけませんかね?」〈ドラフトBEST SELECTION〉(渋谷真)
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ドラフト直後、18歳の松井秀喜が校舎の非常階段で漏らした悲哀 「僕、行かなきゃいけませんかね?」〈ドラフトBEST SELECTION〉(渋谷真)
順当に甲子園まで勝ち進み、あの明徳義塾戦も取材した。アルプススタンドから投げ込まれた無数のメガホ... 順当に甲子園まで勝ち進み、あの明徳義塾戦も取材した。アルプススタンドから投げ込まれた無数のメガホンと、悲しそうに拾い集める部員の背中。怒号が飛び交う中、4番打者が5度目の打席でもバットを振らせてもらえなかった。1点が届かず、三塁側ベンチ前で相手の校歌を聴かされた。悲運の5番打者が、その先の人生でとてつもない重荷を背負うことになった。 異様なムードで始まった敗退のお立ち台で、松井少年は泰然と受け答えした。熱くなっていたのはむしろ記者の方であり、淡々と一塁に歩き続けた少年は、泣くわけでなく、明徳義塾の戦法をののしるわけでもなく。あの大物感こそが、惜敗を伝説にした。 本当に行きたいところは1つだけ それから97日後に人生が決まった。プロには行くと決めていたが、本当に行きたいところは1つだけだということは、誰でも知っていた。まねたわけではないが、同じ右投げ左打ち。幼き頃、掛布雅之の31番をプリント